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映画・演劇のレビュー

『リトル・フォレスト 冬・春』

2015-10-15 20:00:56 | 映画
いちばん見たかった映画だ。2月に劇場公開された。DVDは6月にレンタルされた。すぐにでも見たかったけど、待つことにした。最近は2部作ばやりの映画界で、この作品もまた2部作仕立である。だが、ほかの作品とは少し違う。お話を引き延ばして興行を考えた作品ではない。2部作としてでなくては、成立しない作品なのだ。もともと、これは4部作である。ちゃんと4本は独立した作品として作られてある。しかし、上映形態を考 . . . 本文を読む
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劇団ショウダウン『月下人魚 ‘15』

2015-10-15 19:59:31 | 演劇
初演から4年振りくらいになるのか、と思ったが、なんと3年半だという。この作品を見たのが、僕がショウダウンとの出会いで、それ以降、ほぼすべての作品を見せてもらっている。林遊眠の一人芝居をベースとする今のスタイルが確立したのもこの作品からである。 久しぶりにこれを見て、こんなにもシンプルな作品だったことに、驚きを禁じ得ない。上演時間なんて80分である。その後、連打された作品はどんどん進化していった . . . 本文を読む
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空の驛舎『一握の夢』

2015-10-15 19:52:25 | 演劇
3話からなるオムニバスだ。「北村想が深津篤史に贈った短編戯曲」の上演というのがきっかけになった時点でこの作品の方向性が決まったのだろう。演出を依頼された空ノ驛舎はこの『human lost』という作品を核に据えて、深津氏追悼作品としてこの短編集を上演する。 冒頭の中村賢司作品『朝顔』はその方向性を明確にした。あまりにストレートすぎて、胸に痛い。これは深津さんのことにしか、見えない。最初にこれを . . . 本文を読む
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『罪の余白』

2015-10-15 19:47:40 | 映画
「映画史上最も危険な対決」というコピー通りに映画を作って欲しかった。期待させた分がっかりは大きい。心理学者が悪魔のような女子高生に弄ばれる、という図式は面白い。だが、あまりに内野聖陽がバカすぎて、途中からついていけなくなる。女子高生である吉本実憂も、あまり賢そうには描かれてない。それなら、それでいいのだ。そういう映画として作ればいい。だが、そうはならないからまずい。だいたいそれならこの映画に「心 . . . 本文を読む
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『ドロ-ン・オブ・ウォー』

2015-10-15 19:42:55 | 映画
これは従来のよくある戦争映画ではない。戦場は一切出てこない。21世紀の戦争は戦場に行かなくても出来る。ドローンを使い遠隔操作でアメリカにいながら、スィッチひとつでアフガンを攻撃できる。そういう恐怖を描いた映画なのだが、攻撃される側のドラマは一切ない。TVゲーム感覚で殺戮する米兵の心の闇を描く。アメリカ映画のパターンだ。いつも、自分たちが被害者顔する。70年代から80年代にかけてたくさん作られた「ベ . . . 本文を読む
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青年団『この生は受け入れがたし』

2015-10-15 19:41:59 | 演劇
96年の作品なのだが、今回で3度目の再演となる(らしい)。「平田オリザ演劇展 vol.5」の1作として上演された。いつもながらの平田オリザの世界で、安心して見ていられる。70分の中編作品なのだが、いつもの長編と変わりない。寄生虫の研究をする大学の研究室を舞台にして、東京からここにやってきた研究者とその妻。彼らがこの研究室のメンバーと過ごすほんの一時が描かれる。 ある日の朝、研究室を訪れた妻。夫 . . . 本文を読む
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