たとえ世界(というか、故国なのだけど)が滅びても、自分はこうして、ひとりで、でも、ここで生きている。もう誰も覚えてもいない日本という極東にあった島国の生き残り。今、彼女はヨーロッパのかたすみで生きている。彼女は、失われた母国語を守るのではなく、生きていくために自分ひとりで新しい言語を作り上げる。自分がその言語の創設者だ。そしてその言語を使うのは彼女しかいない。そんな言葉に意味はある . . . 本文を読む
アイホールで2週間のロングラン興行中のこの作品は見逃せない。今回も『四谷怪談』に続いて2バージョンによる公演だが、今回はどちらか1本にしよう、と思ったのに、はやり2本とも見てしまった。笠井さんは絶対にどちらも見なくては、と思わせる仕掛けを用意し、もちろん、観客を満足させる。
それにしてもこの話は一体どこにむかうのか。見終えたとき、茫然とさせられた。この大胆な解釈に圧倒される。柳沢 . . . 本文を読む
豊麗線がこういう題材をとりあげる。なぜだろうか。とてもシンプルでわかりやすい芝居を高齢者たちが取り上げて、同世代が中心となる観客に届けることで何がしたかったのか。何を見せたかったのか。今目の前にある自分たちが抱える問題を取り上げるのではなく、もっと本質的なものを見つめなおすために、この本来なら子供たちに向けて指し示すべき題材を(もちろん、子供たちがこれを見に来てくれたならそれが一番いいし、初日には . . . 本文を読む