このなんだかハードボイルドを思わせるタイトルなのに、お話自体は男と女の不倫もの。出会い系サイトで知り合った主婦と引きこもり青年が逢瀬を繰り返すさまを追いかける。ふたりのお話を同時進行で見せていく。完全な相似形のお話。これが演劇作品を原作としているということがよくわかる図式だ。小劇場出身の三浦大輔監督は、演劇的シチュエーションを映画の世界に見事に転換していく。狭い世界のお話が、ちゃんと映画として成立 . . . 本文を読む
恒例の夏のリーディング公演。今年で8回目になる。今年も浴衣で時代物。だけど、同じようなものにはしない。毎回いろんな新しい挑戦をするのが、この企画の凄いところだ。千日亭が和の空間であることを生かす。畳の間、客席の近さ、結構広いアクティングエリア。大胆な動きと密な芝居。3つのお話のバリエーション。これはいろんな意味でとてもよく考えられた、そして、よく出来たリーディング芝居だ。
当日パ . . . 本文を読む
このパターンが僕にはつらい。ここには意外性がないのだ。芝居自体を確かに上手い、とは思う。だけど、まるでお話に面白さがない。予定調和に終始する。だから、退屈なのだ。オチである招き猫も、途中でネタバレだから、驚かないし。
ここまでで3本を見たのだが、なぜかいずれも同じパターン。それはワンシチュエーションをどう生かし切れるか、への挑戦なのだが、なかなか難しいみたいだ。ウイングでの公演だ . . . 本文を読む
ビルのエレベーター。8階から地上階へと降りていく途中7階付近で止まってしまったようだ。閉じ込められた6人の男女。さぁ、どうなる、というこれも一見するとよくあるパターンになりそうな作品なのだが、実に上手い。リアルじゃないのは、確信犯。これは現実ではなくファンタジーだからだ。でも、ファンタジーに逃げたのではない。最初は、それはないだろ、と突っ込みを入れながら見ていたのだが、そこが作り手の意図だと気づく . . . 本文を読む
表面的なストーリーの提示だけで、お話を進行させていくから、緊張感がなくなる。これではリアリティがない。このお話を通して何を描きたいのか。それをどう見せるのか、という一番大事な部分がお座なりになっているから、たった1時間の芝居なのに退屈させられる。ある種のパターンに終始してオリジナリティが感じられない。こういうタイプの芝居は結構よくあるから、「あぁ、」とため息をつくしかない。もちろん、一生懸命に作っ . . . 本文を読む