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映画・演劇のレビュー

あみゅーず・とらいあんぐる『露草のかげろひ』

2019-08-03 08:54:12 | 映画

 

今年で9年目に突入した夏の恒例行事あみゅーずによるリーディング公演。気が早いけど来年は十周年。彼女たちなら必ず来年もする。そんな安定感のある集団ってなかなかない。マイペースを崩さず、無理せず、毎回愉しみながら冒険を敢行している。これも恒例になっている11月【頃】の本公演は、いつもとは違い今年は大竹野作品に挑む。ぼつじゅう企画に参加しているからだ。でも、来年の秋はまたいつもの形に戻る。条あけみさんと笠嶋千恵美さんのコンビは変わることなく自分たちのお芝居を作り続ける。それをいつものメンバーがサポートしていく。条さんたちとなら、という想いが支える。

 

今回はフジワラビルを会場にした。この古い建物はあみゅーずの公演にぴったりだ。まぁ、どこでやっても、彼女たちはそこを自分たちの心地よい場所にしてしまうのだけれども。

 

さて、今回の作品だけど、ますます磨きがかかって進化する。彼女たちの「立体紙芝居リーディング」は、リーディングでも芝居でもないパフォーマンスとしての朗読劇だ。なんでもあり。芝居あり、マイムもあり、ダンスだってもちろんあるし、それを音響と照明がきちんとフォローする。特に今回は今まで以上に自由自在だ。3話目【朱川湊人『栞の恋』】が、昭和40年代のGS(タイガース)を中心にした歌謡メドレーもあり、遊び心満載だ。

 

1話はなんと星新一(『はだかの部屋』)だ。しかも、それがまぁ、コメディタッチの艶笑劇。ドキドキさせられる。2話目は僕の大好きな東直子(『バタフライガーデン』)を取り上げてくれた。3話目も連続で小さな恋の物語。夏の日にこういうささやかなラブストーリーを朝から見せて貰えて、なんだか幸せな気分になれた。90分間の至福の時間だ。まずは、じっくり笑わせ、それから泣かせて、盛りだくさん。楽しい。

 


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