前作がとても切なくて大好きだった。ウッディ(おもちゃ)とアンディ(子ども)との別れ、というテーマがこのシリーズの幕引きとして見事だった。子どもはやがて大人になり、おもちゃの世界から現実の荒波に乗りだしていく。それをおもちゃたちは見送るしかない。そんななんとも切ないお話だった。あれでこの世界は完結した。
それだけに今回の『4』の登場は意外だ。もう終わってしまった作品に続編は要らない。とはいえ、大ヒット作だから続編の要請は当然あるだろうし、仕方ないことだろう。だから、作るからには意味のあるモノにして欲しい、というのはファンなら当然の想いだろう。
それだけに、正直言うと、これにはがっかりさせられた。予想通りこれはただの引き延ばし再生産でしかない。ただのルーティーン・ワークの域を出ない。もちろん、これはこれで面白いし、100分間退屈はさせない。技術的にも驚きの出来だ。だけど、これをする意味はない。
しかも、ウッディはおもちゃ箱から飛び出して広い世界に旅立つ、なんていうお決まりのストーリーになる。明らかにそれはやがて作られる『トイストーリー5』への布石でしかない。商業映画だから仕方ないのだろうけど、このままでは『スターウォーズ』3部作の無残な続編の3作品のような轍を踏むことは必至だ。