
衝撃的な映画である。こんなにもバカバカしい映画がこの世の中に存在していいのだろうか。何のためにこんなバカな映画が作られるのか。ふざけているのか。ふざけて映画を作っていいのか、いいはずもない。マンガですから、と言われても、納得でいないこともある。主人公のバカさ加減にはイライラさせられる。
東大経済学部を首席で卒業したことが自慢の鼻持ちならない女を桐谷美玲が演じる。まるで説得力はない。こんなバカな女が東大に行けるはずもない。しかも、このバカは、自分に自信を持っている。しかも、とんでもない自信で周囲の顰蹙を買うけど、なんとも思ってない。自分が世界で一番美人であると思っている。こんなわけのわからない女を主人公にしたコメディ(笑えないけど)なのか、というと、そうでもなさそうなのだ。本気か、と言われると、さすがにこれだけバカな話を本気のシリアスモードで作れるわけもない。
大体この女、恋人に振られた(この男が最低の女たらし)腹いせで政治家を目指す。というか、総理大臣のなるらしい。あほらしすぎて、信じられないと思う。ちゃんと目の前で展開するのに、信じられない。こんなお話の映画が成立するわけもない。冗談が現実になったのか、悪夢でしかない。でも、この映画は現実に作られて僕は今それを見ているのだ。途中で止めることもできたのだが、この先どうなるのか、怖いもの見たさで付き合った。どんどん惨さはエスカレートしていき、ラストのキスシーンでは吐きそうになった。選挙演説中の議員候補者が公衆の面前で恋人とキスするのを映画ならではのマジックと受け止める程度の仕掛けが欲しいけど、何の工夫もない。だから、目も当てられない。で、そんな醜態を演じた彼女が当選して国会議員になる! 日本は終わりだ、と思う。こ 2の女が総理になれるのなら、ぜひ、そんな映画を作って欲しい。ちょっとしたホラー映画であるその『リベンジgirl2』が見たい。きっとおぞましい映画だろうけど。
実はこの映画、とても素敵な作品だった『植物図鑑』の三木康一郎監督作品なのだ。だから見たのだけど。