BEGINの『恋しくて』にインスパイアされた青春映画。彼らの自伝的ストーリーを中江裕司監督は、誰にでもある青春の1コマとして、石垣島という特別な場所を舞台に普遍的な恋物語にして描いてみせる。
これはBEGINの3人の話でなくてもいいし、石垣でなくても成立する。だが、それを、この子たちで、この場所でしか成立しない映画として見せる。どこにでもありそうな特別なこと。彼らは僕たちでもあるが、彼らは彼らでしかない。そんなあたりまえのことをきちんと見せ切るから、この映画は僕たちの胸を打つ。この映画の魅力はそこに尽きる。
沖縄の映画を作り続けてきた中江監督は、沖縄という場所自身が映画そのものに思えるように作る。沖縄の映画ではなく映画が沖縄している。ここには生活そのものがある。まるでドキュメンタリー映画のように生き生きとした人々が映画の中には存在している。
お話自体はとてもたわいないし、何の捻りもない。こんなにもうまくバンドが成功してしまうなんて嘘だろ、と思うくらいだ。だが、この場所で、この子たちがやり始めたのなら、なんだかそれも信じられる。
あっけなくセイリョウ(石田法嗣)死んでしまうことも、加那子(山入端佳子)が石垣に残る決心をすることも、すべてそのまま受け入れられる。哀しいことも嬉しい事も確かにここで起きている真実だと思える。牛や羊が喋ることすら何の違和感もないのだ!
このシンプルな映画の素晴らしさは、ありのままをありのままに描いていける力強さにある。へんな技巧は一切ない。オーディションで選ばれた現地の子供たちの自然さ。周囲を固めるきっと素人で、そこで生活している大人たち。そして、美しいロケーションの風景。そんなひとつひとつに嘘がないから、この嘘のようなサクセス・ストーリー(同時にラブストーリー)が命を持つ。
何も考えず、そのまま、この映画を全身で受け止めればいい。そこからはとても気持ちのいい風が吹いてくる。
これはBEGINの3人の話でなくてもいいし、石垣でなくても成立する。だが、それを、この子たちで、この場所でしか成立しない映画として見せる。どこにでもありそうな特別なこと。彼らは僕たちでもあるが、彼らは彼らでしかない。そんなあたりまえのことをきちんと見せ切るから、この映画は僕たちの胸を打つ。この映画の魅力はそこに尽きる。
沖縄の映画を作り続けてきた中江監督は、沖縄という場所自身が映画そのものに思えるように作る。沖縄の映画ではなく映画が沖縄している。ここには生活そのものがある。まるでドキュメンタリー映画のように生き生きとした人々が映画の中には存在している。
お話自体はとてもたわいないし、何の捻りもない。こんなにもうまくバンドが成功してしまうなんて嘘だろ、と思うくらいだ。だが、この場所で、この子たちがやり始めたのなら、なんだかそれも信じられる。
あっけなくセイリョウ(石田法嗣)死んでしまうことも、加那子(山入端佳子)が石垣に残る決心をすることも、すべてそのまま受け入れられる。哀しいことも嬉しい事も確かにここで起きている真実だと思える。牛や羊が喋ることすら何の違和感もないのだ!
このシンプルな映画の素晴らしさは、ありのままをありのままに描いていける力強さにある。へんな技巧は一切ない。オーディションで選ばれた現地の子供たちの自然さ。周囲を固めるきっと素人で、そこで生活している大人たち。そして、美しいロケーションの風景。そんなひとつひとつに嘘がないから、この嘘のようなサクセス・ストーリー(同時にラブストーリー)が命を持つ。
何も考えず、そのまま、この映画を全身で受け止めればいい。そこからはとても気持ちのいい風が吹いてくる。