4年に一度の鴨リンピックが今年も開幕しました。何度か見ているから、もういいかな、なんて思うけど、また見せて頂くことにした。東京から始まった公演もこの日の大阪公演で最終日を迎えた。平日のマチネなのに満席でお客さんはノリノリ。演出の荒谷清水の10分以上に及ぶエンタメ前説から始まる。楽しいし、暖かい雰囲気でアットホームにスタート。
毎回メンバーが微妙に変わるし、エチュードで作るから同じじゃないけど、同じ設定で基本は変えないから明らかに既視感がある。というか、これは再演だし、ウイングフィールドの再演大博覧会の一作ではないか。だから新しい発見や驚きとは無縁だ。だけど安心して見ることができる。4人の個性が作品を引っ張っていくのもいい。今回の鴨リンピックも楽しかった。それだけで充分である。いや、それだけが目的である。たぶん。
今回は座長の鴨鈴女はもちろんだけど、渡会久美子、赤松由美が参戦。中道裕子を交えての4人による熟年女性バトルだ。大人の女性たちによる『青木さん家の奥さんⅡ』は落ち着いた雰囲気がとてもいい。余裕のある対応がいい。自信を持って無理なくこのわけのわからない世界をドライブしてくれる。青木さんの奥さんに披露する寸劇の練習風景。ただそれだけ。なのに最後まで見たらわけもなく、なんだか感動している。これはなんとも不思議な体験だった。大人の女性たちによる落ち着いたやり取りがこの作品を異形のものに改変したのかもしれない。まるで初めて見るような新鮮さがある。