川口由一さん 絵画
桜花
静かに咲いて 静かに散りゆく
恋しきかな 恋しきや・・・
四月十日
無始無終 無辺無窮の宇宙に
春の気 色濃くなる時
堅き色無き枝に
軽やか 房やか 房々と
花つくり 開き 薄紅色に染めて
匂わせん 宇宙香らせん
風生まれきて
舞い散り舞飛ぶ枝々に
若き葉 浅みどりに生む営み
まことに速し
時の流れ速し
360日余の一瞬
花風吹き
通り過ぎて宇宙澄み 清明
宇宙誤まらず
時の流れ止まらず
それぞれのいのちの営み休まず
体を現し 姿形香りに 品性現し
品性に心魂を宿さん
黙して現し
色染め 匂わせ散り
消えゆくに 恋しきを誘う
生かされ生きるも 絶対の運命裡
ためらうことなく絶妙に生き現すも
絶対の運命裡
静清寂々
今年も散り舞う姿
咲き匂う 色香
優美なるかな 厳かなるかな
我もまた絶対の運命裡を生き
今日も明日も生きて
品性を心魂を
死に行く前の前の姿を現わさん
あわれ
あな うれし あな たのし
あな さやけ あな なつかし
おけ おけ
平成二十九年 四月二十二日
絵・文章 川口由一さん
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四月 桜の季節に奈良を訪ね
自然農実践家の川口由一さんにお会いして来ました。
野山は桜色、春の田畑はやわらかないのちの園です。
美しい時空にて喜びをいただきました。
今回もスケッチブックを見せて頂きました。
生活の舞台で日々描いておられるそうです。
「なにもかも美しいですよね、
春はなにを見ても描きたくなりますね。
描くことに恋しています。」
・・とも。
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