自然農稲作教室2019年 倉敷
実習記録です。
1月、2月の記録の続きです。
《3月》
緑の草草が芽生える春
それぞれの畝の一画に
苗床の準備をしていただきました。
作付け面積から苗床の広さを計算すると
0.4畝の畝に対して1メートル×0.8m。
その広さのスペースの夏草の種を除き
地中の宿根草を取り除き
平らに鎮圧しておきます。
実習田にはオケラがいますので
しっかりと鎮圧をしておくことが大切です。
平らに鎮圧ができると
苗床の表面の乾燥を防ぐため
稲わらを敷いておきます。
さらに周囲にモグラ除けの溝を掘ります。
苗床の準備が完成です。
良い感じですね。
↓
《4月》
そして一か月後、
いよいよ籾蒔きです。
みなさんに育てていただくのは
「あけぼの」という品種で、
自然農にて自家採種した種を
今年も蒔いていただきました。
4月の自然農田は冬草の海となっています。
特にカラスノエンドウがすごい勢いです。
なんだかとても良い感じがします。
これらの草草は刈らないで
まずは、溝の草を畝に持ち上げ寄せて
各自の畝の境界をはっきりさせました。
そして、先月準備しておいた苗床に
各自、種籾を降ろします。
0.4畝の畝の作付けに対して
籾の量は36㏄ほどです。
パラパラと蒔いて
密集しているところは
3~4㎝間隔をあけておきます。
心地よい春風に吹かれながら
籾蒔き実習をされておられる
みなさんです。↓
自然農では、
田植えは一本植えです。
今年自然農17年目の実習田では
植える間隔も約45㎝×40㎝にいたしましたので
籾の量は36㏄より少なくても良いと感じました。
一反で計算しますと5合ほどですから
自然農の場合、
種籾はほんとうに少しでいいのです。
↑ こちらの方は稲作三年目、
籾を均等にきれいに並べておられますね。
小さな苗床ならではの楽しい作業でもあります。
蒔いた籾の上にまず土を被せ鎮圧し、
さらに草や藁をふんわりと被せておきます。
そして、稲作教室六年目の今年は
苗床を鳥除けネットで
すっぽり覆うことにいたしました。
どれほど緻密に鳥よけ紐を張っても
案山子を立てても、
毎年手ごわくなるスズメたち。
ネットを田んぼに持ち込みたくない
という気持ちもありますが、
籾を食べられてしまうと、
お米づくりができませんので・・。
こちらは私の苗床です。↓
種を降ろしている品種は
あけぼの トヨサト 黒米と緑米を少しです。
《5月》
さわやかな5月です。
籾が発芽し育つこの季節に
田んぼでは麦が背丈を伸ばし
穂も豊かになってきました。
5月の実習は苗床の手入れです。
ネットを外して
夏草を取り除きます。
お米の苗を損ねないように
丁寧に作業をしていただきます。
お米とそっくりな草もあるので
真剣ですね。
《6月》
いよいよ田植え月です。
6月上旬
苗も元気に育っています。
勢いがありますね。↓
6/2 先月に引き続き
苗床の手入れをしていただきました。
そして、田植え前の準備として
畝の夏草を刈り、
その場に敷いておきます。
実習田では、冬草がいのちを終えて
お米とともに育つ夏の草草が元気です。
刈った草草はいのちを巡らせ
お米を育ててくれるありがたい存在です。
田植えは6/15.16の二日間でいたしました。
↓
苗床から苗を苗箱に移して
一本ずつ植えていきます。
クワで土をつけたまま削り取り、苗箱に・・、
慣れるまではドキドキですね。
各自、田植え紐をはり、目印にして
カマで穴をあけて土付きの苗を
丁寧に植えてゆきます。
みなさん 黙々と・・。
お天気も薄曇りで田植え日和です。
苗は、「まさに今が植え時」の大きさです。
田植え後半は、
苗床じまいのことも考えながらの
作業になります。
二日間の田植え中、
一時、雷と夕立がありましたが、
みなさん、無事に植え終えられて
苗床じまいと補植用の苗の確保もできました。
6/30田植え後一回目の夏草刈りです。
まずは畔草刈りから始めましょう。
夏の眩しい日差しのなか
稲の成長を楽しみに
集い学ばれるみなさんです。
それぞれの畝に入っていただき
一列おきに草刈りをしています。
稲はまだまだ小さいですが
しっかりと根付いているようです。
そして、黒大豆を畔に蒔きました。
が、すぐに鳩に見つかってしまい、
鳥よけ紐を増やし、
案山子を立てましたが、
今年はずいぶん食べられてしまいました。
結局、蒔き直しを何度もしまして
なんとか無事に発芽し育ったものを
大切に見守ることにいたしました。
《7月》
7/14二回目の夏草刈りです。
稲は扇形に成長しています。
順調です。
暑い時期ですので、
実習は午前中3~4時間、
水分補給をしていただきながら
二回目の草刈りも一列おきに
刈り進めてゆきます。
2019年のメンバーです。
明るくて誠実、そして熱心に取り組まれる
素敵な方々です。
7/28 三回目の夏草刈りです。
二週間おきの草刈りでは、
稲の生長がよくわかります。
順調でうれしいです。
畔豆はまだずいぶん小さいですが、
育っています。
↓ 左側はお隣の慣行農法の田んぼです。
土用干しをされている時期です。
右側の私たちの自然農田も ↓
雨の恵みが頼りです。
翌朝7時頃
葉先に露が光っています。
《8月》
8/11 四回目の夏草刈りです。
今回で田んぼに入っての草刈り実習は
終わりです。
しっかり分けつした稲の中で
背丈のある草を中心に刈っています。
暑さの厳しい折り、
畑で採れたスイカでのどを潤していただき、
各自、最終の夏草刈り実習に励まれました。
お盆が過ぎ、
8月下旬 実習田の様子です。
心配していた大豆も
ゆっくりですが大きくなりました。
茎の中に幼穂を形成している時期の稲。8/27
葉先がツンツンと勢いのある美しい姿です。
《9月》
9/8 秋の気配を感じながら
まずは畔草刈りです。
そして、大豆の足元もさささっと草刈り。
東隣の休耕田との境は
風通しを良くしてあげることに。
実習後、翌朝の様子です。
すっかりさわやかに・・。
晩生の黒大豆も
結実への営みを始めています。
出穂した稲を前に記念写真。
暑い夏をともに越えて、
立派に育つ稲を愛でながら
うれしく朗らかなみなさんです。9/8
9月の稲作教室では
自然農実践家指導者の川口由一さんの絵を
皆さんと拝見させていだきました。
静かな秋に、
ゆったりとした時間がうれしいです。
言葉を通しての学びも充実するよう
みなさんの想いを聞かせていただいたり
秋の作業についての勉強も含め
宇宙自然界のことに思いをはせ・・
美しき人生の創造へと
意識を向けてゆきましょう。
開花交配後のお米 結実に向けて・・。
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自然農稲作教室は
今年で六年目です。
毎年10人前後の方々と
自然農のお米づくりを
一年間実践を通して
学んでいただいております。
自然農を学びたい、
自然農を体験したい、
安心安全な自然農のお米を食べたい、
お米を自給自足したい、
などなど、想いを胸に・・・
季節のめぐりを感じながら
田に立ちて
自然に沿ったお米づくりに
取り組んでいます。
今年は11/3に稲刈り
11/23.24脱穀・籾摺りを
予定しています。
それぞれに収穫されたお米は
玄米にしてお持ち帰りいただきます。
美しい自然界生命界に身を置き
よろこびとともに
手作業でとりくむお米づくりです。
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来年2020年
自然農稲作教室七期の
参加者募集を始めました。
詳細はHP自然農のページにて
ご案内をさせていただいています。
どうぞよろしくお願いいたします。
八木真由美
(岡山県倉敷市)
穂を垂れ始めた10月初旬