クロマルハナバチは思い焦がれてやってきた
ひとの眼なんか気にしない 香りにさそわれ 蜜に酔う
蜂が言いました。 ここへ来るまえ寄ったのは、たこさんの定家葛。
ねじれる花びら そのかおり
花のように美しい姫君は 後白河天皇の第三皇女 式子内親王。
…身分は高く、世は遠く、いくらお慕いしても側に近よりようもないおかただが、そのお歌はみな凛として美しく、艶にして悲しく、切々としてはるか二十世紀末の心にまでひびく (詩歌の森へ 芳賀徹)
加茂の斎院として過ごした十年。退下しても終生「斎院」とよばれ、人生を生きることはなかった。なにも許されぬ内親王のくらし…
沖深み釣する海人の漁火のほのかに見てぞ思ひ初めてし
思ふより見しより胸に焚く恋のけふうちつけに燃ゆるとやしる
はげしい慕情、謡曲では「定家」 しかし、面影びとは法然
(式子内親王伝 石丸晶子)
それで定家は内親王の墓石にからみついたとか