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民家園から北へ車で10分ほど移動した。 スロープを歩くと、 木の間隠れに 斜面林を背にして重厚な屋敷が見える。 絹糸のような雨と、 七夕飾りが出迎えた。
ここは 旧坂東家住宅 ~昔の家・昔のくらし~ がわかる。
木造平屋、 寄棟、 茅葺、 床面積87坪(約286㎡)。 解体時に発見された墨書銘から、 安政4年(1857)に建てられたことがわかる。 この地、加田屋新田を開発し、 見沼代用水の見回り役や名主役などをつとめた。 式台(玄関)をもつ格式の高い住宅である。
土間、上がり框、 襖変わりの板戸、 欄間のかざり、 長持、 タンス。 長い廊下。 奥座敷。 住宅解体後の発掘調査で、 三島手象嵌土瓶 に入った一分銀400枚(百両相当)が座敷押入下の土中より見つかった。 それらも公開している。 写真はこちら
囲炉裏に火が入り、 煙がたちのぼる。 つられて天井を見あげる。 屋根裏に煤竹ススダケがみえ、 古い家を解体するときけば、 骨董屋や竿師や指物屋さんがやってきたことなど思い出した。 永いこと煤にあぶられて堅くしまる、 弾力もあるので釣り竿に適している。 強度を増した竹の、 飴いろの艶も、 得も言われぬ彩りなど魅力的で、 篠笛や花入れとしても利用される。 たのしき話が延々尽きない。 とんでもない方向にとんでいる。
我が足裏もはっきりと、 土間のタタキを覚えている。 凸凹が土踏まずを刺激して気持ちよかったこと、 夏のヒンヤリした感じ。 いとこ達と裸足で駆けぬけた日々を懐かしむ… 青いアーモンドのような榧の実も、 雨にぬれて光っている。 屋敷の周りをめぐった。 厠、 湯殿、 勝手、 味噌部屋、 厩、 薪小屋 …
それにしても、 みごとな笹飾り、 真菰を編んで
つくる一対の馬も、 くす玉も、 折り紙も……
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7月13日から8月15日まで
「坂東家の盆棚飾り」
(併設の 見沼くらしっく館)
あの、 精霊棚だろうか
楽しみにしている