
廃屋の毀れた窓 青き蔓の憂い… 毀れるは壊れるのともすこし違うようだし、 蔓も蔓らしい。
蜘蛛の糸 プラチナのごと閃けり… 蜘蛛、 どの角度から見てもこの字はやっぱり蜘蛛だ。
閃くも そのまま。
-☆-
清少納言は 漢字に書くと大げさなものは 蜘蛛… と。
虎杖 胡桃 覆盆子 鴨頭草 楊梅 習ったので、もちろん読める。
想像がつかない字もある 中国でおめでたいとされる 蝙蝠、 公園の遊具、鞦韆 など。 知ったあとでは、 暗がりを音もなく、 マントをかぶって羽ばたきそうに見えてくるし、 ふらここさえも、 寂しく揺れはじめるので不思議である。 秘色も 今は読める。 「雨過天青雲破処ウカテンセイクモヤブレルトコロ」 青磁の優美さは あまりひとに知られたくない。 秘かに愛でていたいのだ。
虹はなぜ 虫偏か 最初、 虫偏しかなかったので 生き物はみな虫偏にした。 虹は 蛇や龍に見えたから。 道理で 蛙。 蜥蜴 蝮 蝦 蛤 蜆 蛸 蟾蜍 … 虫ではない。
珈琲、 薔薇、檸檬、辣韮の字は、 それ自体が香る、匂いがあると思えるし、紫雲英ゲンゲ、木賊トクサ、石榴、 榲マルメロなどは、 視覚的になんとなく、そう思える。 綿毛と 甘酸っぱい思い出。
学んだ言葉に 「雁使」がある。 大辞林によれば
「漢書(蘇武伝)」より。匈奴キョウドの虜囚となった蘇武が雁の脚に手紙をつけて漢帝に便りした故事による。 手紙を運ぶ人。 また、手紙。 雁使ガンシ。 雁書。 雁の便り。 雁の文。 雁の玉章タマズサ。
別所を訪れる雁に 期待しよう。 漢字と書いて、 夜長の秘かな楽しみと読めてくる。 11月、 寒々しいのでテンプレートを変えた。 新しい衣裳で、 何となく浮き浮きする。 しかし 変なところで改行される。
わくわくして拝読しました。虫も、説文によれば、蟲は足のある虫で、蠢ウゴメク、蝱アブなどの下に名残を留める、虫を二つ並べた字が虫の総名だったのだとか。早くに使われなくなったのに変換で出てきます。
虫でも義を身に着けているのがいるというのに、このごろの世のエライ人たちのすることは、怒りを通り越して情けなくなります。
思い出して、昔、鮨屋でもらった湯飲みの魚偏で、読みを楽しみました。
当て字でも、面白い繋ぎ合わせです。今の鯑は、なにが当たるのでしょう。
春の魚がサワラは解りますが、秋の魚はサンマと読みたいのに、なんでウナギなのでしょう。冬はコノシロ、夏は?京都の人ならハモでしょうが、夏は総じて魚がまずいので・・・・
ニコニコで遊ばせていただきました。
蟲はいかにも! さすがに、ぞくっとします。 虫好きもいい加減で、たくさんいると降参です。蛙が何故虫偏か これではっきりしました。 知らなかったのは己だけでした。
ほんとうに、 一寸の虫でさえ…なのに、みんな怒ってます。あきれカエルます。
「いつも甕いっぱいあった」という母の鯑。この字を知りませんでした。 娘は魚にギョク(玉)か金を当てます。 魚がつかない諸子の佃煮もすきでした。海のギャング鯱は屋根に昇ったりもします。
魚偏も面白いですね。またひとつ利口になっちゃって、どうしましょう。 蒟蒻問答はこのくらいで… また、お教えください。
「いかにも」の漢字を見る時は、昔の人のセンスに感じ入ります。
ただ・・・、へんな意味の漢字に女がつくのには怒っています。
奸とか、姦とか。ねえ、ひどいと思いませんか。
響き、字面、同じものを仮名で書くか、カタカナ、漢字ではどうか、迷いながらこだわって書く日記、これも楽しい作業です。
きょうはヒアシンスハウス夢まつり、朝から一日かかりました。「鮎の歌」の朗読を聞いて 心が洗われました。 天才のことばをたくさん拾って、豊かな気分。心地よい音楽のような文章で。
うしろの正面さんに、余韻をお分けします。