あっ飛んだ!
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赤い木の実を食べた君は、黄緑色の羽に被われていたね。
一瞬に羽ばたいて、木の葉のあいだをすりぬけて行ってしまった。
木の下で、待っている。
首が痛くなるほど、待っている。
見上げていたら、木の葉が君の黄緑の小さなからだに見えてきた。
思うと、形になって現れるらしい。
そんなことで遊んでいると、日が暮れてきた。
トーキョーのビジネスノヒトだった頃、日暮れを忘れていた。
ピンポーンという合図、どこかの屋上で鳴いている犬、
定時を知らされるだけで、そのころ日暮れはなかった。
キーボードかケータイか、どちらにも触れていないとき、ようやく眠りにつく。
日暮れのない日々に、だから朝もなく光の意味を知らなかった。
生きるのはつまらんと顔に書いて毎日でかけた。
光が目の前にあふれているのを知った日が、誕生日。
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赤い木の実を食べた君は、黄緑色の羽に被われていたね。
一瞬に羽ばたいて、木の葉のあいだをすりぬけて行ってしまった。
木の下で、待っている。
首が痛くなるほど、待っている。
見上げていたら、木の葉が君の黄緑の小さなからだに見えてきた。
思うと、形になって現れるらしい。
そんなことで遊んでいると、日が暮れてきた。
トーキョーのビジネスノヒトだった頃、日暮れを忘れていた。
ピンポーンという合図、どこかの屋上で鳴いている犬、
定時を知らされるだけで、そのころ日暮れはなかった。
キーボードかケータイか、どちらにも触れていないとき、ようやく眠りにつく。
日暮れのない日々に、だから朝もなく光の意味を知らなかった。
生きるのはつまらんと顔に書いて毎日でかけた。
光が目の前にあふれているのを知った日が、誕生日。