いえ、この森の庭のことである。
宮司さんが来て「木はいらんかね」と言われるので、この通り、植える場所が
もうないのだよと作業中だったカメが奥の方まで案内した。
見渡して、「そういえばそうだなあ」と納得の様子で、じゃああれはどうかね。
‥‥、おもろい、次から次へ樹々の名が繰り出され、わからん。
だからさ~、満室だってばと虫する、いや無視して先へ歩くわたし、アハハハ。
あれやこれやと話して、帰りしな秋明菊はどや? で決まり。一株くれるぞ。
来年は紫木蓮で一件落着、白がいいと言ったら寒いからここじゃ咲かんよと言われた。
ほんとの用事は枯れ葉を吹き飛ばすためのブロワーをもってきてくれたことと、
カメにお話あってのことだった。うふふふふ、わたしゃ無用じゃ。
ここが空いてるじゃない? って敷地内のスペースがあるように見える処は間伐で
根っこまで掘り起こしたからだし、枝おろしも毎年しているからすっきりしているわけだ。
この数年で見違えるほど葉も幹も丈夫になってきている。
植えっぱなし、生えっぱなしでは育たないから。
森を歩いていると、ひょろひょろと細い樹がほとんどで下草も生い茂っている。
にっくき蔓性植物に寄生され、ぎゅうぎゅうと締めつけられ痛々しい。
手つかずの雑木林といえば自然の活気があるように聞こえるけど、実際はそうでもない。
陽あたりが悪くなった森はどことなく不気味で、活気とは異質な荒んだ力を感じる。
動物がいて、けもの道を人が遠慮しながら歩いて、季節ごとの恵みをさずかって
そうして森の調和がとれていくってのが昔からのつきあい方だったにー。
ほったらかしでは自然も活きない。自然自然って言うだけで、自然がわかっとるのかな。
森の中にも人の世と同じしくみや方程式のようなものがあって、それは共通しているような
気がする。理屈ではなくそう感じる。
自然がわからんで、神様お願いって拝んでもしようがないにー。
朝方ぼちぼちと歩き、あれこれ考え続けていると、ふいにドスっと音がした。
振り返ると親分が叢に脚をひっかけ、尻餅をついて起きたばかりだった!
ヘラヘラと笑って、すぐに出てきて駆け出そうとするが、脚が痛いらしい。
そんなにヘラヘラしなくても見てないよ~。
犬も照れるのである。
ヒールのある靴でふいにカクッと踵をねじったときのぶかっこうさに、
瞬間どうしていいか迷うここちを思い出したけど、どうしたっけ、わたし。
ヘラヘラしたんだろ、たぶんね。動物も人も同じである。
来客時、缶詰中のわたしはお茶も出さずに申し訳ないことであった。
いつもながら仕事しているとほかに頭が回らない、ぼんやりで困ったヤツ。
集中力が途切れないように無意識にシャットアウトしてしまうからなのだ。
ま、ここでならいいか、ということでごめんなさい。
三宅紅谷の蒸菓子、ごちそうさまです。
りんごもたくさんありがとうございました。
遊び遊びなんていいながらたくさん働いてくだせえませ。
宮司さんが来て「木はいらんかね」と言われるので、この通り、植える場所が
もうないのだよと作業中だったカメが奥の方まで案内した。
見渡して、「そういえばそうだなあ」と納得の様子で、じゃああれはどうかね。
‥‥、おもろい、次から次へ樹々の名が繰り出され、わからん。
だからさ~、満室だってばと虫する、いや無視して先へ歩くわたし、アハハハ。
あれやこれやと話して、帰りしな秋明菊はどや? で決まり。一株くれるぞ。
来年は紫木蓮で一件落着、白がいいと言ったら寒いからここじゃ咲かんよと言われた。
ほんとの用事は枯れ葉を吹き飛ばすためのブロワーをもってきてくれたことと、
カメにお話あってのことだった。うふふふふ、わたしゃ無用じゃ。
ここが空いてるじゃない? って敷地内のスペースがあるように見える処は間伐で
根っこまで掘り起こしたからだし、枝おろしも毎年しているからすっきりしているわけだ。
この数年で見違えるほど葉も幹も丈夫になってきている。
植えっぱなし、生えっぱなしでは育たないから。
森を歩いていると、ひょろひょろと細い樹がほとんどで下草も生い茂っている。
にっくき蔓性植物に寄生され、ぎゅうぎゅうと締めつけられ痛々しい。
手つかずの雑木林といえば自然の活気があるように聞こえるけど、実際はそうでもない。
陽あたりが悪くなった森はどことなく不気味で、活気とは異質な荒んだ力を感じる。
動物がいて、けもの道を人が遠慮しながら歩いて、季節ごとの恵みをさずかって
そうして森の調和がとれていくってのが昔からのつきあい方だったにー。
ほったらかしでは自然も活きない。自然自然って言うだけで、自然がわかっとるのかな。
森の中にも人の世と同じしくみや方程式のようなものがあって、それは共通しているような
気がする。理屈ではなくそう感じる。
自然がわからんで、神様お願いって拝んでもしようがないにー。
朝方ぼちぼちと歩き、あれこれ考え続けていると、ふいにドスっと音がした。
振り返ると親分が叢に脚をひっかけ、尻餅をついて起きたばかりだった!
ヘラヘラと笑って、すぐに出てきて駆け出そうとするが、脚が痛いらしい。
そんなにヘラヘラしなくても見てないよ~。
犬も照れるのである。
ヒールのある靴でふいにカクッと踵をねじったときのぶかっこうさに、
瞬間どうしていいか迷うここちを思い出したけど、どうしたっけ、わたし。
ヘラヘラしたんだろ、たぶんね。動物も人も同じである。
来客時、缶詰中のわたしはお茶も出さずに申し訳ないことであった。
いつもながら仕事しているとほかに頭が回らない、ぼんやりで困ったヤツ。
集中力が途切れないように無意識にシャットアウトしてしまうからなのだ。
ま、ここでならいいか、ということでごめんなさい。
三宅紅谷の蒸菓子、ごちそうさまです。
りんごもたくさんありがとうございました。
遊び遊びなんていいながらたくさん働いてくだせえませ。