心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

春の休日

2006-04-09 16:24:45 | Weblog
 やっと桜花爛漫の季節となりました。窓を開けると、爽やかな空気が心地よく、なんとも幸せな気持ちになります。そうそう、けさ嬉しい発見がありました。湖北の里に咲く美しい椿の花が、我が家で初めて開花しました。何回も挿し木をいただき、何回も失敗をして、そしてやっと根付いた小さな椿の枝に、1輪の花。色も姿形もお気に入りです。
 そんな日曜日の朝、わたしは洋ランのお手入れをしました。植え替えです。まずは、ホームセンターに行って素鉢とミズゴケを買い求めます。次に、根が回ってしまった株を、鉢を壊しながら丁寧に取り上げて、古い根やミズゴケをピンセットで取り除きます。そして、水に浸しておいた新しいミズゴケで根をつつみ、新品の素鉢に植える。ざっと、こんな作業ですが、新しい根や芽が動き始める時期なので、先端を傷つけないように細心の注意をはらいます。株数が多いわけでもないのに、ずいぶん時間がかかってしまいました。その間、愛犬ゴンタは何をしていたかって?。私の横で大の字になってお眠りでした。
 話は変わりますが、先日発売された季刊誌『考える人』の特集は、「直して使う」でした。要するに、「もの」が壊れても修理して大事に使うことの意味を問うものでした。ケチの象徴としてではなく、傍にあって当たり前の「もの」に対する思いやりと、自らの生きざまの証としての存在を、壊れたからといってすぐには捨ててしまうことができない、人間の拘りのようなものを考えました。取っ手が壊れた茶瓶の後ろに母親の姿が透けて見えることだってある。小さな傷に、子供たちの悪戯の跡をみることもある。こう考えていくと、すべてを捨てることができなくなってしまいますが、「もの」への執着ではなく、忘れかけていた「こころ」の在り様に焦点をあてようというものでした。....春の休日の昼下がり、柔らかな春の陽の下で、この季刊誌をぱらぱらと眺めながら過ごしました。愛犬ゴンタは、午後も私の足元でお昼寝でした。
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