昨日の土曜日は、何日ぶりの雨だったでしょうか。地面も街の木々も久しぶりにたっぷりと水分を吸収して、今日は街の風景がふだんとは違って見えました。そんな清々しさが何とも言えず、愛犬ゴンタと一緒に朝の散歩を楽しみました。
ところで、先週の後半は1泊2日の日程で東京に出張していました。時間に少し余裕があったので、今回も目的地までは徒歩で向かいました。といっても電車ひと駅程度ですから15分もかからない場所です。歩きながらその街の息遣いを感じるにはちょうど良い距離でした。駅前の丸の内オアゾ5階で軽く昼食をとったあと、皇居方面に向かい、そこで右に折れます。途中、首都高速と交差する神田橋を通過、お茶の水方面に向かう途中に目的地はありました。神保町とも意外に近く、この界隈の位置関係が次第に判ってきました。
高いのっぽのビルが乱立する東京のビジネス街を歩いていて、米国同時多発テロのことを思い出しました。あのビルが崩れていく場面は今でも頭の片隅に残っています。9月11日、あれから8年が経ちました。
週末ひと息ついて、私は、アンドレア・ボチェッリのCD「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を取り出しました。その付録DVD「ニューヨーク自由の女神コンサート2000」を久しぶりに見たいと思ったからです。この野外コンサートは、あの事件の1年前に、自由の女神像が立つリバティ島に近接したエリス島のリバティー州立公園で開かれたものです。ステージの背後には、あの破壊される前のニューヨーク貿易センタービルの雄姿が、夕闇せまるマンハッタン街に浮かんで見えます。
そこでボチェッリは、「女心の歌」「見よ、恐ろしき炎を」「乾杯の歌」「ああ、麗しの乙女」「遥かなるサンタルチア」「帰れ、ソレントへ」「オ・ソレ・ミヨ」を次々と歌いあげます。誰が、あの悲惨なテロを想像したでしょう。
エリス島は、かつてヨーロッパなどからアメリカへ移住を希望する移民のための管理局があったところです。みんながアメリカン・ドリームを求めてやってきた、そんな歴史のある島の目の前で、センタービルは崩壊していきました。イデオロギーの違いは理解するとしても、その手段の残忍さ、人の心を踏みにじる行為、いつの世であっても許されるものではありません。
今回の出張目的は、経済団体関係のお勉強会でした。「ワーク・ライフ・バランス」「クオリティー・オブ・ライフ」、要するにワークとライフの質を問うのがテーマでした。政権交代は、政治思想は別にしても、私たちに新しい価値の創造と変化を求めています。これまで判っていても手をつけられなかった問題、日本人の労働観であったり、人間観であったり、あるいは歴史観であったり。 それらを一人ひとりがそれぞれの立場から問い直すこと。それには、よい機会なのかもしれません。同時テロで、私たちが失ったもの、私たちが大事にしなければならないもの、さまざまな思いが交差する2009年9月11日でありました。
※掲載した写真はCD「タイム・トゥ・セイ・グッバイ~ボチェッリ・スーパー・ベスト」付録DVDから借用いたしました。
ところで、先週の後半は1泊2日の日程で東京に出張していました。時間に少し余裕があったので、今回も目的地までは徒歩で向かいました。といっても電車ひと駅程度ですから15分もかからない場所です。歩きながらその街の息遣いを感じるにはちょうど良い距離でした。駅前の丸の内オアゾ5階で軽く昼食をとったあと、皇居方面に向かい、そこで右に折れます。途中、首都高速と交差する神田橋を通過、お茶の水方面に向かう途中に目的地はありました。神保町とも意外に近く、この界隈の位置関係が次第に判ってきました。
高いのっぽのビルが乱立する東京のビジネス街を歩いていて、米国同時多発テロのことを思い出しました。あのビルが崩れていく場面は今でも頭の片隅に残っています。9月11日、あれから8年が経ちました。
週末ひと息ついて、私は、アンドレア・ボチェッリのCD「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を取り出しました。その付録DVD「ニューヨーク自由の女神コンサート2000」を久しぶりに見たいと思ったからです。この野外コンサートは、あの事件の1年前に、自由の女神像が立つリバティ島に近接したエリス島のリバティー州立公園で開かれたものです。ステージの背後には、あの破壊される前のニューヨーク貿易センタービルの雄姿が、夕闇せまるマンハッタン街に浮かんで見えます。
そこでボチェッリは、「女心の歌」「見よ、恐ろしき炎を」「乾杯の歌」「ああ、麗しの乙女」「遥かなるサンタルチア」「帰れ、ソレントへ」「オ・ソレ・ミヨ」を次々と歌いあげます。誰が、あの悲惨なテロを想像したでしょう。
エリス島は、かつてヨーロッパなどからアメリカへ移住を希望する移民のための管理局があったところです。みんながアメリカン・ドリームを求めてやってきた、そんな歴史のある島の目の前で、センタービルは崩壊していきました。イデオロギーの違いは理解するとしても、その手段の残忍さ、人の心を踏みにじる行為、いつの世であっても許されるものではありません。
今回の出張目的は、経済団体関係のお勉強会でした。「ワーク・ライフ・バランス」「クオリティー・オブ・ライフ」、要するにワークとライフの質を問うのがテーマでした。政権交代は、政治思想は別にしても、私たちに新しい価値の創造と変化を求めています。これまで判っていても手をつけられなかった問題、日本人の労働観であったり、人間観であったり、あるいは歴史観であったり。 それらを一人ひとりがそれぞれの立場から問い直すこと。それには、よい機会なのかもしれません。同時テロで、私たちが失ったもの、私たちが大事にしなければならないもの、さまざまな思いが交差する2009年9月11日でありました。
※掲載した写真はCD「タイム・トゥ・セイ・グッバイ~ボチェッリ・スーパー・ベスト」付録DVDから借用いたしました。