7月だというのに、枕元の窓から聞こえる鶯の囀りで目を覚ましました。愛犬ゴンタ爺さんと朝のお散歩をすませると、いつものようにコーヒー豆を挽いて、新聞に目を通しながら朝のコーヒーをいただく。穏やかな休日の朝を迎えました。
ところで、先週半ば、姉の葬儀のために東京に行きました。享年77歳。まだまだ元気だった姉の急逝でした。姉とは15歳も違います。小さい頃は一緒に暮らしていましたが、小学1年生の時、東京に嫁いで行きました。お通夜の時の話では、嫁ぎ先の父親が長崎高商の出身だったとか。ということは私の父と同窓ということになります。なにやらそんなところにひとつの出会いがあったのかもしれません。いずれにしても、みんなに送られて旅立って行きました。残るは4名。みな私より高齢です。少しずつ今生の暇乞いが近づいてきたような気がしないでもありません。
話題を変えましょう。塩野七生さんの新潮文庫「ローマ人の物語」の読破を再開したことは以前ご紹介しましたが、いま読んでいるのは32巻「迷走する帝国(上)」です。あの大帝国が崩壊していくプロセスを追いながら、今日の巨大組織、いや巨大国家の行く末を考えます。寛容と多様性のローマ帝国の結末、なかなか興味深いものがあります。
と、そんなことを考えながら、昨日、家内のお使いで近所のパン屋さんにバゲットを買いに行った帰り道、本屋さんに立ち寄りました。手にしたのは季刊誌「考える人」2014年夏号でした。今回の特集は「文庫 その小さな本の大きな世界」。この見出しが気にいりました。新潮文庫が創刊されて100年、鼎談「やっぱり文庫が好き」など興味深く読み進んでいます。そういえば1週間前には、多様性を考える言論誌「kotoba」季刊誌2014年夏号を眺めました。こちらの特集は福岡伸一監修:生命とはなんだろう?」でした。本の匂いを楽しみながら、週末のひとときを、ふだんとは少し違った世界に身を投じる時間。大事にしたいものです。
さてさて、今週は久しぶりに病院の定期検診があります。先日、職場の定期健康診断の結果が届きましたが、2年前は眼の精密検査を促され、1年前は前立腺癌と大腸癌の精密検査を促され、そして今回はと言えば、心電図と聴力の精密検査を義務づけられました。まあ、歳相応ということなんでしょうが、先日亡くなった姉の健康診断結果はまったく問題なかったということですから、この世の中、どちらに転ぶか判りません。無理をせず、しかし適度の刺激を受けながら緊張感をもって生きて行く、そんな生き方をしたいものです。
そういえば、 「考える人」に「ニッポンの里山」と題するエッセイが載っていました。ゲンジボタルが乱舞する岡山県美星町。写真説明に「田んぼと雑木林が入り交じる一昔前の風景。なんでもない風景が珍しくなった」とあります。田舎にいた幼少の頃には、この時期、夜な夜な姉に連れられてホタルを見に行ったことがありました。