今週から自宅の改造工事が進んでいます。築30数年を経過して、水回りの手直しと床や壁の模様替えです。バリアフリーにも配慮した結構本格的な改造になります。そこで困るのがお風呂です。ここ数日、仕事帰りに娘のマンションに立ち寄ってお風呂を「いただいて」帰ります。俄然、孫君たちは大はしゃぎ、僕も僕もと入ってきます。少し辛いものがありますが、しようがありません。そんなわけで、明日は孫長男君を連れて家内と六甲山の山懐に佇む有馬温泉にでかけることになりました。孫次男君は両親に連れられてアンパンマン祭にでかけるのだと。そして夕刻、大阪・梅田界隈で合流の予定です。
ところで、先週は前半広島に出張、後半には東京にでかけました。その広島では仕事帰りに古書店アカデミィ書店金座街本店に立ち寄り、大庭みな子著「津田梅子」(朝日新聞社)を350円で購入しました。津田梅子さんのことは、津田塾大学の創設者であることのほか、明治維新のあと7歳にして米国に国費留学し18歳の頃帰国したこと、昨年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の一場面で山川捨松らと登場したことなど微かな知識しかありません。しかし、日本と米国の両方の視点をもって国の動きを見つめた梅子の手紙資料に関心が高まります。以前ご紹介したヴォ―リズの話同様に楽しいものでした。それにしても、7歳といえば小学校2年生。時代を見る確かな目をもった両親のもとに育てられたとはいえ、勇気ある選択だったろうと思います。
アカデミィ書店ではこのほか、「能と能面の世界」も同じく350円でご購入でしたが、この本、夏の下鴨納涼古本まつりで買った「続:能と能面の世界」が気に入って、その後「続」のない「能と能面の世界」を探していたところでした。こんな偶然の出会いがあるのも古書店の楽しさです。一週間前には、堺市にでかけた帰りに立ち寄った難波の古書店・山羊ブックスで、ジョン・マグリーヴィ著「グレン・グールド変奏曲」、ミシェル・シュネーデル著「グレン・グールド孤独のアリア」を各450円で手にしました。グールドについては様々な方々が本を執筆していますから、見つけては買い集めています。最近、もっとも高かったのは、私にとっては夏の思い出とも言える「HOKUSAI 画狂人北斎」。ぶらり街を歩いていて小さな古本まつりで見つけました。2千円でした。古書店巡りもなかなか楽しいものです。
秋は読書の季節と言いますが、当面は積読になります。それでも「津田梅子」は昨日今日で集中的に読みました。つい十数年前まで国を閉ざし、丁髷を結い、お歯黒をしていた人々が日本の近代化にどう向き合ったのか。大きな時代の流れのなかで人々がどう振る舞い新しい時代を築いていったのか。そうした人々の生き様は、今の先行き不透明な時代にも通用するように思えてなりません。........秋の夜長、古本をぱらぱらと捲りながら、時代の移り変わりを夢見る贅沢な時間が過ぎていきます。