心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

横浜の街歩き ~ お上りさんの「東京見物」(その4)

2018-03-02 21:15:46 | 旅行

(前回更新の続きです)
 東京見物の最終日は、時間の許す範囲で横浜の街をぶらり散策しました。朝、チェックアウトを済ませると、手荷物をホテルに預けておでかけです。まずは家内いち押しの「bills 横浜赤レンガ倉庫」に向かいました。シドニーに本店があり”世界一の朝食”と謳われる人気のパンケーキ屋さんなんだそうです。すでに店内はほぼ満員でした。明治時代の赤レンガの色合いを楽しみながら少しリッチな朝食をいただきました。
 そのあと、真向いのレンガ倉庫1号館に入って何軒かのお店を見て回りました。横浜の歴史を紹介したパネル展示を見てびっくり。前夜のNHK大河ドラマ「西郷どん」に映っていたペリー黒船来航の写真がありました。お国の一大事に、いよいよ西郷どんが江戸へ上がる場面でしたが、あれから150年が経過します。
 横浜税関、神奈川県庁、横浜市開港記念会館など大正建築を眺めたあと、バスに乗って三渓園に向かいました。横浜の実業家が明治の時代に手がけた日本庭園で、広大な敷地内には京都や鎌倉などから移築された室町から江戸時代の歴史的建造物が何棟も建ち並んでいました。ちょうど梅の花が見頃で、それをバックに結婚記念写真を撮影中の何組かのグループがいました。
 印象深かったのは、飛騨・白川郷から移築された江戸末期の旧矢箆原住宅(合掌づくり)です。白川郷には何年か前に行ったことがありますが、横浜のこんな所でお目にかかれるとは驚きでした。ちょうどお雛祭りの時期、奥の間には雛人形が飾られていました。
 横浜といっても、ごく限られた範囲しか見て歩くことはできませんでしたが、神戸の街の雰囲気に近しいところがあって、かつ港の歴史、明治開国という時代精神を彷彿とさせる素晴らしい街でした。また訪ねたい街です。
 ところで、明治維新の息吹を胸に秘めて帰阪した翌日は、大阪・淀屋橋界隈の「街歩き」企画本番でした。今回は30名近い方々のご参加をいただきました。まずは、明治・大正建築界の第一人者で東京駅の設計で知られる辰野金吾の設計による日本銀行大阪支店。ふだんは簡単に入れないところですが、所定の手続きを経て約1時間にわたって建物の歴史と日銀の仕事内容、お金のお話しを伺いました。次いで、大阪倶楽部、大阪ガスビル、高麗橋野村ビルなど戦災にも耐えた明治大正建築物を見て回りました。
 この数日間、横浜と大阪の明治大正建築をまじかに見て、当時の時代精神を思い浮かべました。周りの風景はずいぶん変わっているけれど、時代の変革期を見つめてきた建物群に、大きな迫力、存在感、何よりも生きる力、活力をいただいたような気がいたします。

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