心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

地産地消。ごっくん馬路村.....

2018-05-24 22:37:41 | Weblog

 久しぶりに夏日となった昼下がり、我が家の庭に繁茂するカモミール、ラベンダー、セージを摘んできました。乾燥してドライティを作るためですが、その一部をフレッシュのままサンティーにしていただきました(茶器に浸して太陽光だけで温めます)。ほんのりとした甘い香りが火照った身体を癒してくれます。自然の恵みです。
 自然の恵みといえば、先週、高知の神峯寺でいただいた冷え冷えの「ごっくん馬路村」も美味しかったです。ゆずと蜂蜜と水だけで作ったジュースです。ゆずで有名な馬路村農協の製造で、四国の道の駅やお土産屋さんでしか売っていないそうです。(全国にネット販売あり)
 「ごっくん馬路村」は、地元でとれる「ゆず」をうまく商品化して、それを地域で売り、お金を地元で循環する仕組みを実現しています。旅人が飲めば外部からお金を取り込むこともできます。まさに「地産地消」のモデルといえるのではないでしょうか。そうそう、高知駅構内のセブンイレブンで見つけたチューハイ「馬路村ゆずチューハイ」(地域限定プレミアムチューハイ=宝酒造)も、その取り組みの一環なんでしょう。のど越しのよいチューハイでした。馬路村、なかなか頑張っています。
 先日帰省した際に思ったのですが、田舎には不似合いな大型スーパーの野菜売り場は、地元で生産された野菜はごくわずかで、多くは全国各地から大量買い付けで安く仕入れた野菜が店頭を専有していました。一方で、大阪のスーパーの売り場に奥出雲で生産された野菜が並べられているのを見ると、なんとも釈然としないものを感じます。
 大手スーパーが地方の隅々にまで浸透して、かつてあった町の商店を飲み込んでしまう。すると、その土地のお金が地域の外に流れていってしまい、その土地の活力さえも奪ってしまう。働く場のない若者は都会に出て行ってしまい、少子化、高齢化、人口減に拍車がかかってしまう。「歩き遍路」をしていると、小さな町のシャッター通りを目にして気が滅入ってしまいます。国の補助を受けて役場と介護施設だけは立派になっても、将来に向けた展望は見えてきません。地方はますます疲弊するばかり。だから私は「ごっくん馬路村」に注目しています。馬路村農協のさらなる知恵の発揮に期待しています。
 一方、都会は磐石なのかといえば必ずしもそうとは言えません。きらびやかなバーチャルな世界に浮かれている間に、短命な商品が次から次へと生まれては消えていく。こちらも別の意味で文明的な課題を抱えています。悪循環が国を滅ぼしてしまいます。さあて、どうすべきか。
 話は変わりますが、先日、音楽ダウンロードサイト「MORA」から「千の風になって(メモリアル盤)」をダウンロードしました。チェロ、ホルン、ピアノ、アカペラ、ハーモニカ、ピアノと朗読、弦楽四重奏など様々なバージョンでまとめたものですが、改めて新井さんの曲の素晴らしさを思ったものでした。
 そんな新井さんが先月、NHKEテレ「グレーテルのかまど」の「新井満の笹だんご」に出演されていました。見逃したのでYouTubeで検索してみると、ありました、ありました。番組の始めと最後に、北海道七飯町のご自宅で奥様とご一緒に出演されていました。ご出身の新潟県のスイーツ「笹だんご」が取り持った奥様との出会いなどお話しになっていました。野間文芸新人賞や芥川賞を受賞された作家であり、作詞作曲家、歌手、写真家、環境映像プロデューサー、絵本画家と多彩な新井さんですが、大沼国定公園の大自然で育まれた感性、心の風景が「千の風になって」を生み出したのでしょう。

      2年前、大沼国定公園でのリハーサルで「千の風になって」を歌う新井さん
 さて、とりとめもなく呑気なことを綴っていますが、今週はお勉強の毎日でした。月曜日は、古典文学講座「井原西鶴の世界」。この日は「『本朝二十不幸』の世界~今の都も世は借物」。ちょうどいま、新刊の加藤秀俊著「社会学~わたしと世間」(中公新書)を読んでいて、社会学の視点から江戸時代の庶民の生活を眺める楽しい時間でもありました。
 今週のカレッジのお題は、近代文学③「小説に描かれた新選組と井伊直弼」でした。新選組の虜になった歴女、若き女性研究者の迸るような情熱をびしびしと感じる授業でありました。そして水彩画教室では、シャクヤクの花を題材に取り組みました。若い頃のように、研ぎ澄まされた感性、知力は失せてしまいましたが、いろいろなお話しをお聴きしながら刺激に満ちた日々を過ごしたことになります。
 ひとつ書き忘れていました。来月の街歩き企画の下打合わせのため京都にでかけてきました。今回は京都府の旧府庁、三条通りの明治建築群、そしてニッシャ印刷歴史館など明治近代建築と街並みを見て回る計画です。
 という次第で、今週はゆったりまったりの日々を過ごしました。時には、こんな1週間があっても良いなあと思っていますが、新聞紙上では、米朝関係、国政の混乱や日大アメフト問題などが紙面を埋め尽くします。唯一の救いは、日大アメフト部員の記者会見。その真摯な姿勢に感心しました。その一方で、オトナのだらし無さ。なんとも釈然としない憂鬱な日々でもありました。

コメント (4)