本屋さんで俳人黛まどかさんの本を検索したら、「山折哲雄こころ塾」(読売新聞大阪本社編)がヒットしました。でも在庫なし。そこで近所の図書館で探しました。配架はされていなかったけれど、書庫から出していただき借りることができました。
発行は2004年。20年も前の本ですが、大槻能楽堂の舞台で、山折さんと当時ご活躍の13名の方々との対談が掲載されています。
お目当ての黛さんのテーマは「旅と恋〜かなわぬ思い俳句に」。黛さんが四国遍路に出かける前、スペイン巡礼道や熊野古道あたりをお歩きになった、まだお若い頃の対談で興味深く読みました。
もうひとり目に留まったのは、「精選女性随筆集・須賀敦子」の編者・川上弘美さんです。テーマは「心の行方〜科学的見方と宗教の人間観」、小説家にしてはやや硬そうな見出です。経歴を拝見すると、生物学科を卒業後しばらく中学や高校の教員をしていた由。その生き仕方と独特の世界観に何となく興味をいだき、さっそく「蛇を踏む」を手にとりました。
公園を歩いていて踏んでしまった蛇が、いつの間にか部屋に棲みつき、時に人の姿(母親)に変身して女性を蛇の世界に誘う.........。上田秋成や村上春樹の世界を彷彿とさせるものがあります。読み終わったあとの春樹作品に似て落ち着きのなさを感じたので、少しこだわって読んでみようかと。
さてさて、ここで話題はお気軽バージョンに移ります。先日、息抜きに南紀白浜に行ってきました。大阪駅前から高速バスに乗って3時間弱。南紀白浜とれとれ市場下車。
この日泊まった「とれとれヴィレッジ」は、別荘感覚で楽しめるリゾート型宿泊施設が謳い文句のドームハウス群です。
夕暮れどきにはヒグラシが、夜になると秋の虫の音が聞こえます。温泉に浸かったあとは静かな部屋の中で冷たいビールをいただきながら、「山折哲雄こころ塾」や「蛇を踏む」を読み比べ、ゆったりまったりの時間を過ごしました。
翌日の帰りに海産物や地元和歌山名産品がずらりと並ぶ「とれとれ市場」に立ち寄りました。取れたての鮮魚が格安で販売されていて、マグロの解体ショーまでやっていて、大勢の客で賑わっていました。因みに我が家は新鮮な鯛を1匹とアジをひと箱、それに南高梅を連れて帰りました。
2日前に急に思い立った小旅行でしたが、ちょっと違う風景に身を置くことで、少し元気をいただいたような気がします。秋を前に心晴れやかな日々が待ち構えています。