心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

老いる楽しさとデジタル終活

2024-12-06 14:22:06 | Weblog

 歳をとっても師走を迎えるとなんとなく慌ただしさを感じる今日この頃です。お買い物がてら自転車に乗って近くのコーナンに行く途中、2年前まで田圃だったところにススキが繁茂し、その穂が白く陽に輝いている風景に出会いました。都会地にあってほっとする晩秋の風景でした。
 京都御所では、イチョウやモミジなど紅葉が見ごろを迎えています。広い御苑ですから観光地と化した神社仏閣とは異なり観光客もまばら。しばしシニア仲間たちとのんびり散策を楽しみました。 この日は午前中、「百済王らは朕の外戚なり~桓武天皇の母」と題する古代史の授業を受けたあと、午後からは水彩画に取り組みました。先日歩いた難波橋(ライオン橋)から中之島公園を望む風景を描きました。これから色を置いていきます。
 お絵描きが終わると、次は謡曲同好会です。観世流能楽師の先生のご指導を得て、「巴」のクライマックスとも言うべき、巴越前の霊が木曽義仲の武功と最期を演じる場面を皆で力強く謡いました。

 能楽と言えば、先日、山本能楽堂の能楽体験講座「能活」を覗いてきました。義経の愛妾として知られる静御前の亡霊が登場する能「二人静」がテーマでした。静の霊と、静の霊が憑いた菜摘女という、静御前を二人の役者が演じる「相舞」です。謡いを交えてわかりやすく説明していただきましたので、この「二人静」を来年1月の「たにまち能」で鑑賞の予定です。
 ところで、能楽堂の帰りに天満橋のジュンク堂書店に立ち寄った際、月刊誌「中央公論」12月に出会いました。今号の特集は「孤老時代をどう生きるか」。前文には「高齢単身者が増加し、うまく老いることが難しい時代。孤独に打ち克ち、明るく生きていくヒントを探る」とあります。
 有識者のレポートはさておき、作家・黒井千次さんの「老いは大変だけれど面白い」と、ノンフィクション作家・久田恵さんの「カギは自立して自分流を貫くこと」に、まず目を通しました。お二人の現在進行形の生き仕方に共感を覚えました。
 ジャーナリスト・田原総一郎さんと三女の和田眞理さんのインタビュー記事「90歳になっても現役、親子円満なワケ」も、「朝まで生テレビ」に登場する田原さんとは異なる一面が出ていて、ついつい読んでしまいました。
 なんと、頁を捲っていくと、現役時代にセミナーや著書「知識創造の経営」などでずいぶんお世話になった経営学者・野中郁次郎先生(89歳)に久しぶりにお目にかかりました。お題は「54歳差、大家と俊英の異色対談~今こそ、日本的経営の復権を!」です。知識創造を育む組織のイノベーションプロセス「SEKIモデル」。分析ではなく、まずは現場の共感から始まる...。先生のお元気なお話しに改めて勇気をいただきます。

ここでやっと第二のテーマに入ります(笑)..........。

 朝日新聞の「くらし」の頁に、時々、デジタル終活に関する記事が掲載されています。「家族悩ますデジタル遺品。スマホもネット銀行もパスワードが…」「ネット銀行口座やサブスク契約。デジタル遺品で遺族が困らない対策は」「ネット上に資産、デジタル終活を」など。
 デジタル終活は、私が年初に掲げた旗印のひとつでしたが、実際のところはクレジットカードを少し整理しただけで中断したままでしたので、思い切ってエンディングノートの簡易ソフトを使うことにしました。先日やっと銀行口座やサブスク契約、各種IDとパスワードなどの入力を終え、外付けハードディスクに保存しました。
 このソフトの良い点は、本人が設定したパスワードで入る方法とは別に、家族が別の方法で本人確認をして閲覧モードで確認できるように設定されていることでした。あとは、パソコンを開くパスワードを老夫婦で共有できていれば問題ありません。この種のセキュリティ管理はいくらでも抜け道があるでしょうから完璧とは言えませんが、とりあえず第一関門を通過したことになります。

 さあて、今年も残すところ3週間あまり。この年末年始も我が家は家族14名が大集合します。そろそろ年末の大掃除の計画を立てなければ...。今朝、庭師さんに庭木のお手入れをお願いしました。あとは老夫婦でやるしかありません。何かが大きく変わるわけではないけれど、新しい年を迎えるひとつの節目です。

コメント