心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

甲府周遊の旅

2010-12-23 11:57:04 | Weblog
 先週の土曜日は、1泊2日の日程で長男君が暮らす山梨県甲府市に行ってきました。往路は、先陣の家内とは別行動なので気楽な独り旅でありました。朝8時前に家を出ると、新幹線に飛び乗って名古屋へ。そこで中央線に乗り換え、特急ワイドビューしなの7号で一路塩尻をめざします。時間にしておよそ2時間。中山道や木曽川に沿って走る車窓から、久しぶりに眺める森の景色に見入っていました。


 お昼頃に塩尻駅につくと、今度は東京・新宿行の特急あずさ16号に乗り換えます。ここから甲府までは1時間あまりですが、この沿線には諏訪湖があります。


 実は、我が家の先祖様は何百年も昔、この諏訪湖地域から西に移動し、江戸の時代に奥出雲に定着した由。そんな訳で今でも田舎には諏訪神社があります。私にとって今回の甲府周遊の旅は、ルーツを訪ねるという意味合いもありました。で、車窓からまだかまだかと諏訪湖を心待ちにしていたのですが、琵琶湖に慣れ親しんだ私にとって、諏訪湖の規模は意外と小さいものでした。また、列車と湖の間には市街地が横たわっていたために、特段の感激をいだくでもなく車窓を流れて行ってしまいました。

 とは言え、木曽路からつづく一帯を眺めていると、森の元気さを感じます。特に落葉樹の森は、落葉が終わり陽の光をさえぎるものがありませんから、樹木の根元にまで陽が注ぎます。落葉が次の年の肥やしになる。こうして木々が成長していくのです。都市周辺の森が力をなくし、生命力が減退し、ナラ枯れなどが取りざたされていることを思うと、たいへん新鮮に感じたものです。そのうえに、木曾川の澄んだ水の流れ、ほんとうに大事にしたい日本の自然風景でした。
 そうこうするうちに甲府駅に到着です。駅前には長男君一家に家内が加わり私をお出迎えです。家で一服すると、次のお目当て、それは山梨県立美術館でした。ここにはバルビゾン派の農民画家であるジャン・フランソワ・ミレーの絵が常設展示されているのです。「種をまく人」(1850年)、「落ち穂拾い、夏」(1853年)などなど。孫娘の手をひいて館内を見て回りました。美術館前から遠くに富士山が見えました。なんとなく自分たちの位置感が判りました。夕刻には、温泉宿に全員集合して、郷土料理を肴に美味しい地酒を楽しみました。もちろん、温泉は露天ぶろに。1年の疲れを癒すことができました。

 翌日は、まず甲府城跡舞鶴城公園を散策、一番高い所から甲府盆地を鳥瞰します。西に雪をいただく甲斐駒ケ岳、白根3山が、南にはもちろん富士山が聳えます。まさに周囲を山々に囲まれた盆地に甲府の街は広がっていました。その後、サントリー登美の丘ワイナリーへ。明治42年(1909年)の開設から数えて100年、こんなところにも明治の人々の進取の精神を思いました。ワインのなんと美味しかったことか。でも、1本数万円もするワインは庶民には手がでません。お手頃なワインをお土産にしました。そうこうするうちに昼食の時間です。美味しいお蕎麦に舌鼓、それだけではありません。長男君お薦めのB級グルメ、鳥のもつ煮までいただき満足でした。




 ここまでは順調でしたが、帰途につく間際になって、中央線で人身事故があってダイヤが相当乱れているとのニュース。急遽、復路のコースを身延線に変更しました。特急ワイドビューふじかわに乗って2時間ほどでしょうか。富士川沿いに富士山を眺めながら静岡をめざすローカル線です。


 こうして長い長い1泊2日の甲府周遊の旅は終わりました。休む間もなく翌日から仕事、月、火、水と過ぎて、きょうやっとお休みの1日となりました。そろそろ2010年の振り返りをしなければなりませんが、これは次の日曜日にとっておきましょう。
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