心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

古書ブックフェア

2008-07-06 10:16:51 | 古本フェア

 そろそろ近畿地方も梅雨明けでしょうか。先日まで湿っぽい日が続いていたのに急に暑くなって、連日の熱帯夜。新調した扇風機が活躍しています。それでも朝は過ごしやすく、何種類かの鳥たちが順番にお目覚めです。床の中で、これはスズメ、これはヒヨドリ、シジュウカラ、カラス、これはなんだろうなどと考えていると、いつの間にか街が目覚めます。これに夏蝉の大合唱が加わると、夏本番です。そんな気持ちの良い休日の朝、愛犬ゴンタとお散歩したあと庭の小さな畑を覗いてみると、トマトが真っ赤に熟していました。今日の朝食は、自家製トマトが彩りを添えました。
 ところで、昨日の土曜日は、いつもどおり午前中は職場に顔を出し、午後には早々に退散して楽しいひと時を過ごしました。行き先は、大阪・天満のOMMビルで開催中の「古書ブックフェア:近畿ブロック連合大古書まつり」。大阪府内の35古書店が一堂に会した催しです。例年よりやや規模が小さかったような気もしないではありませんが、それでも古書ファンの方々が多数お越しになっていました。写真は、そのひとコマです。
 専門書より一般書籍の占める割合が増えたように思いましたが、そのぶん客層も広がったような気がします。ずいぶんお年を召した方々、私のような世代の方々、何かに拘っていそうな若い方々も。昭和の時代を懐かしむ方、大正の時代、明治の時代、それよりもずいぶん昔の古文書に思いを致す方々など、不思議な空間が広がっています。
 私も、2時間あまり会場をうろうろしました。手にしたのは、まずは性懲りもなく「グレングールド複数の肖像」(ギレーヌ・ゲルタン著、浅井香織・宮沢淳一訳)。ついで、本のデザインが気に入って「クラシック・現代音楽小辞典」。音から記号の方へ、音の整合から音の解放へ、常に実験の場へ、というメッセージが気に入りました。1974年7月1日発行とありますから社会人2年目の頃の出版です。縦25.5㎝、横9㎝の楽しい装丁でした。そして3冊目は、1994年発行の雑誌「現代思想」。「カオス」を特集した内容でした。山口昌哉氏と米沢富美子氏の対談「カオス・アモルファスの意味論」に惹かれました。わたしの手には負えない内容ですが、それでもアトミズム(要素還元論)には強い関心をもっています。
 人生も後半戦を迎えると、読書の対象も少しずつ絞られてきているように思います。それでも、まだまだ好奇心旺盛な私です。それがまた、明日の糧になるということなんでしょう。普段は仕方なく強制的に仕事関係の書籍・情報にたくさん目を通さざるを得ないのですが、休日ぐらいは勘弁してください。長椅子に横たわって、冷たい氷を浮かべたお手製月桂樹酒を味わいながら、ぱらぱらと本をめくる、そんな時間を過ごしたいと思います。

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