ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

17年8月に読んだ本

2017-09-02 07:56:31 | 読書
8月に読んだ本は16冊、いつもの月よりやや少なめ。
挑戦中の「新潮文庫の100冊」を5冊。これで既読が97冊で残りあと7冊。まずこれを読了しないと、
好きな本を好きな時に読めない、って、本末転倒?
 
◆幻色江戸ごよみ (宮部みゆき)
江戸の市井の人を題材にした短編が12編、「鬼子母火」「だるま猫」「小袖の手」、本当の怪奇譚もあれば、「まひごのしるべ」は母性溢れるミステリー。「神無月」は娘のために盗みを働く職人の父と事件の謎に気づいた岡っ引きの哀愁漂うサスペンス。「紙吹雪」は母子を心中に追い込んだ金貸しに対する凄惨な娘の復讐劇。
一番好きな話は、第9話の「首吊り御本尊」、もしこれがご隠居の作り話だったというのであれば、かなりひねりが効いている。
宮部さんの本は結構読んでいるけど、時代物は初めて。これはこれで、なかなかでした。
 
◆一人っ子同盟 (重松清)
オサムもハム子も見事にひねくれている。オサムはともかく、ハム子に至っては、ひねくれた理由も不明。でも、まともな一人っ子、ノブを触媒にして少しずつ変わっていく。
ノブくんたちは私と同世代だろうか。貴重な思春期の一コマも、時の流れに埋没し、大人になったら「そんなこともあったけかな」程度のことになってしまうのが、なんか切ない。

◆迷宮 (中村文則)
純文学、芥川賞作家の中村さんには珍しいミステリー仕立て。20年前の凄惨な一家惨殺事件、全裸のうえ折り鶴で飾られた美しい母親の遺体。
当時12歳だった生き残りの長女・沙奈江と関係を続ける新見も、また心に闇を持っていた。
「殺して」と哀願する沙奈江と事件に惹かれていく新見。迷宮入りした事件と二人の心の中の迷宮。やっと沙奈江の口から明かされる事件の真相がどこかおかしい。
ハッピーエンドなんだか、そうでもないのか、なんだかよくわからない、もやもやした読後感が中村さんらしい。
 
◆天久鷹央の推理カルテ (知念実希人)
お仕事系日常ミステリー。ビブリアとか、タレーランとか、櫻子さんのお医者さんバージョンのライトノベル。
この手のものはホームズ役の主人公が気に入るか、気に入らないか、自分としては、まあ、うーん。
 
◆コーランを知っていますか (阿刀田高)
男女平等、信仰の自由が普遍的な善ではない。たとえイスラム教徒の大半が平和を愛する人であろうとも、そういう人が世界で10億人以上いるという紛れもない事実。
一神教のオリジナルはユダヤ教で、その唯一神の前の平等、選民思想、最後の審判の概念は、多民族がひしめく過酷な生活環境に起因している。ユダヤ教を、キリスト教を経て、ムハンマドが、闘いの日々の中で、多少なりとも我田引水的な換骨奪胎を行ったのがイスラム教でしょうか。
いずれにしても多神教がDNAに組み込まれた日本人の私には、それを順守しようとする信者の方々が理解不能です。
 
「カドフェス」から1冊。こちらは残り約50冊、まだ半分も読んでいない。新潮文庫の方を読了してから、ですね。
◆きまぐれロボット (星新一)
お子様向けも、安定のショート・ショート。
 
◆よるのばけもの(住野よる)
主人公の中三男子の「私」は、夜になると八つの眼、六本足の化け物に変身し、街を徘徊する。あ
る夜、学校に忘れ物を取りに行った私は、クラス全員からいじめにあっているび矢野さんにばったり会ってしまう。そして二人の夜中の交流が始まる。
昼はクラスからハブにされないためにいじめに加担し、夜は二人で話をする。姿は化け物でも心は正しい夜の私と、それと真逆の昼の私。
結末はしんどいながらも爽やか。中学時代に読みたかった、そして今の中学生に読んでほしい一冊。
 
◆敵の名は、宮本武蔵(木下昌輝)
木下さんお得意のあざとい歴史もの。敗れた者たちから見た宮本武蔵、いやはや戦国の剣は何とも激しい。
血で血を洗う、弱肉強食の世界と思って読み進めたが、6編目の「無二の十字架」で流れが変わる、戦国の世のカタルシス。
デビュー作の「宇喜多の捨て嫁」と似た展開。そしてまたも直木賞は残念でした。こういう話、選考委員に受けないのかな。
 
◆騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編(村上春樹)
訳あって小田原の山荘に一人暮らす画家の私が、これまた訳アリっぽい富豪、メンシキさんと出会う。そしていきなり騎士団長登場。
これはホラーかファンタジーか?よくわからない村上ワールド、ともかく下巻へ。
 
◆アノニム(原田マハ)
原田マハさんのアートを題材にした小説は大好きだが、本作は微妙。雨傘革命をアートを結びつけるのは無理があるのではないか。全体的にマンガっぽいというか、ルパン三世っぽいというか。
結末も「暗幕のゲルニカ」と同じパターンなんだろうなと序盤で想像がついてしまった。
舞台が昔住んでいたことのある香港だったので、そこは懐かしく、楽しく読めました。
 
◆みかづき(森絵都)
第1章から第8章まで、章が変わるごとに数年の年月が流れていて、社会の情勢も、家族を取り巻く環境も変化している。章の間に何が起きたのか、想像しながら読むのがなかなかに楽しい。
文部科学省の意向とそれに反発する塾という民間の教育機関、これは教育をテーマにした大河ドラマ。
「女が三人タッグを組んだら、とうていかなわんぞ」、妻に、環境の変化に、流されているようでも信念のままに飄々と生きる吾郎の人生に、うらやましさと共感を感じた。
 
お気に入りのラノベ・シリーズを2作。
◆忍物語 (西尾維新)
前作のオフシーズン完結編「結物語」は、暦くんとそのハーレムの女性の5年後だったが、新シリーズのモンスターシリーズは時代が巻き戻って暦くんは大学1年。これであと5冊書くらしい。
デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターなる新キャラをレギュラー化するみたい。羽川翼が出ないので興味半減だが、でも、ファンなので、結局読んじゃうんだよねー。
 
◆幼女戦記 (2) Plus Ultra(カルロ・ゼン)
南に、北に、西に、いよいよ最前線に配備された「幼女の皮をかぶった悪魔」ターニャ・デグレチェフ少佐とその大隊の、凄惨極まりない、容赦ない大活躍。
アニメ化された部分なので概ねストーリーは分かっていたが、やはり小説で読むと、これまた面白い。
相互誤解と疑心暗鬼、だれも戦争などしたくないのに、戦線は拡大していってしまう。題名に反し、萌え要素ゼロの本格ミリタリーものである。
 
◆ブラタモリ 7 京都(嵐山・伏見) 志摩 伊勢(伊勢神宮・お伊勢参り)
◆ブラタモリ 8 横浜 横須賀 会津 会津磐梯山 高尾山
TV、毎回楽しみにみています。
一番印象に残っているのは「伏見」かな。豊臣秀吉が作った幻の日本の首都。
伊勢神宮は、出雲や富士山の回でも思ったけど、江戸時代のツーリズムってホントにすごい。
会津の回、TVで見逃していたので、読めてよかった。
横浜も印象的、諸事情から宿場町から離れた場所に開いた港が、150年でこんなになるとは、、、
 
ビジネス書」を1冊。
◆企業買収後の統合プロセス(菊池庸介)
仕事でPMI監査らしきことをやることになったので、付け焼刃、泥縄的にお勉強中。
とても分かりやすい本でした。満足度80点。
 
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