ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

1月に読んだ本

2014-02-01 00:21:18 | 読書
1月は17冊でした。
休みが多かった割には、読めてないなー。

まずは文豪さんの作品を2つ。
◆風立ちぬ・美しい村 (新潮文庫)(堀 辰雄)
「美しい村」、軽井沢ですよね、昔の。
子供のころ、堀辰雄が滞在していたという旅館に泊まったことがあります。あの頃は、新幹線もアウトレットもなくて、ちょっとこの小説のような風情がありました。
「美しい村」の夏とジブリの「風立ちぬ」のシーンが重なりました。でも宿の雰囲気とか、節子の性格も、映画とはかなり違う、全くの別物ですね。
美しい文章、繊細で正直な心理描写だなと思いました。

◆晩年 (新潮文庫)(太宰 治)
「ビブリア古書堂の事件簿」で出てきたので、読まなきゃなーと思いつつ、「道化の華」だけ読んで、あとは未読にしてました。
最初の「葉」でガツンと来て、結構手こずりました。
全編に漂う露悪的な自虐と厭世。後期の作品より荒削りな感じはあるけど、やはり太宰治は最初っから太宰治だったんだな。

◆俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (12) (電撃文庫)(伏見 つかさ)
あー、ついに読み終わってしまった。
アニメはTV版だけしか見てなくって、11巻、12巻の部分は結末を知らずに読んだので、、、京介、もったいない。でも、彼らしいよね。潔い。思いっきりとことんバカやって、突っ走って、良いんじゃないでしょうか。こういう結末。

◆GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神ー
◆GOSICK ―ゴシック―
◆GOSICKII ―ゴシック・その罪は名もなき― (角川文庫)(桜庭 一樹)

「俺妹」も読み終わっちゃったし、次は、新シリーズ「GOSICK RED」発刊を記念して、「GOSICK」を再読することにしました。
まずは、時系列順に「GOSICKs」から。
アニメも併せて再視聴してます。
結末が分かっていても、やっぱり面白い。
Ⅰは、アレックスとリィの復讐劇が哀れです。
Ⅱは、ヴィクトリカが初めて行く母親の故郷で20年前の母親の無実を証明する、九条とヴィクトリカの関係もグッと近づく、自分の好きなお話でした。

◆赤頭巾ちゃん気をつけて (中公文庫)(庄司 薫)

庄司薫の1969年の芥川賞受賞作。
昔嵌った、今読むと恥ずかしい本です。でも何年かに一度は読み返したくなるし、読むたびに感じることが少しずつ違うから不思議。
すねたり、世の中を斜めに見たり、開き直ったりせずに退屈なくらいに真っ直ぐ生きてきても、時代の波、価値観が大転換期にどうしようもなく挫折したくなる。
でも、それでも、恋人とか、家族とか、身の回りの人とか、会社とか、世の中とかを良くしようと思えて、臆面もなく「頑張ります」って言える人って、地味にすごく強い人だと思うし、自分もそうありたいと思います。

◆三国志(一) 桃園の巻 (新潮文庫)(吉川 英治)
中々の名調子で読みやすかった。言われる通り、叙事詩ですね。それにしても、中国の政治的腐敗のスケールの大きさといったらないですね。

◆マイ・ブルー・ヘブン (4) 東京バンドワゴン (集英社文庫)(小路 幸也)
東京バンドワゴンシリーズ番外編です。
堀田家がこんなにすごい家だったとは、、、ややイメージぶち壊しの感なきにしもあらず。
勘一も、ただの頑固ジジイだと思ったら、実は結構な奴だったんだ。でも口調は昔から変わっていないんですね。
我南人の独特の口調は、十郎譲りだったのか。まあ、これはこれで面白く読ませていただきました。

◆つぶやき岩の秘密 (新潮文庫)(新田 次郎)
新田次郎さんにしては珍しい少年向け冒険ミステリー。
主人公の紫郎くん、真っ直ぐで、好奇心いっぱいで、でも無茶するなー。
小林先生をはじめ、周りの大人たちもいいですね。
テーマは日本軍が隠した金塊。今よりずっと戦後だった時代です。
真実は紫郎少年の胸だけに、ってことなんでしょうか。ちょっと切ないエンディングです。

◆翔ぶが如く〈6〉 (文春文庫)(司馬 遼太郎)
明治政府がここまで危うい政府だったとは。。。
でも、旧士族側も、なまじ知識人で、観念的な激論や不平不満だけ、理念も国家のビジョンもない、地に足がついていないから結局各個撃破されてしまう。
司馬さんの『江戸期二百数十年の教養時代の歴史的な累積が蒸留され、その蒸留水の滴りとして西郷をとらえるほうがとらえやすい』という表現につきます。
それにしても、主人公も決まってなくて、やたらと「ついでながら」「話は前後するが」が多いこの小説。長いなー。

◆100回泣くこと (小学館文庫)(中村 航)
昨年、桐谷美玲で映画になったやつですよね。読んでみたら、ごくありふれたラブストーリーでした。
犬の話が可愛くって引き込まれたのと、小説とは直接関係ないけど、凛とした闘病生活の末亡くなった友人を思い出しました。

◆桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)(朝井 リョウ)

スクール・カーストねぇ。自分は、高校時代は割と熱血にバレー部でした。
遠い昔なんで美化してるのかもしれないけど、グループはあったけど、上下とか、口をきかないとか、そういうのはなかったと思います。
どっちにしても高校の3年間なんてモラトリアム期間、社会に出れば、夢に向かって真っすぐな奴が成功するんです。
最初は「どうなのよ」って感じの展開でしたが、期待の持てる終わり方でほっとしました。
ネガティブなコメントも少なくなかった作品ですが、私は好きです。
映画も借りてみちゃいました。

◆ブラバン (新潮文庫)(津原 泰水)

「楽隊のうさぎ」の高校版みたいな、熱血系の部活ものかと思ったら、全然違った。でも、こっちの方が好きかも。
決して真っ直ぐではなかった、団結が強かったわけでもなかった高校時代の部活が、とあるきっかけで25年後に再結集を目指す。
高2の時の文化祭同様、いつの間にか首謀者っぽく奔走する他平。甘ずっぱかったり、ほろ苦かったりの思い出を引きずりながら、その続きのような再結成。
自分に音楽の素養がなくって知らない楽曲が多かったのが残念。軽音だった友人に薦めたい一冊。

◆戦争論争戦―小林よしのりVS.田原総一朗
15年くらい前の対談集を再読。不毛に近い堂々巡りの議論、こんなの良く本にしたなと思う。
世代の違いなのかな。田原さんの世代は先の戦争を子供時代に体験した世代で、間に団塊の世代(全共闘世代)を挟んで1953年生まれの小林よしのりの世代。
田原さんは根っからのジャーナリストだなーと思う反面、15年後のメタ視点で見れば、後半の理屈は小林よしのりに分があるというのが私の率直な感想です。
時は流れ、小林よしのりの世代もはや還暦。若い世代の方々は歴史を、そしてこの15年をどのように見るのでしょうか。

◆大江戸「春画」入門 (宝島SUGOI文庫)(中江 克己)

この本を読んだきっかけは、杉浦日向子さんの「一日江戸人」で春画が興味深く紹介されていたから。
鈴木春信・喜多川歌麿・葛飾北斎の描いた春画が紹介されているのですが、3名とも江戸を代表する高名な画家。
特にあの富嶽三十六景の北斎までもが、ですよ。
芸術というよりも、お上に対する反骨精神なんでしょう、表現の自由ってやつ。
画は三人三様ですが、いずれも素晴らしい。ちなみに表紙は歌麿です。でも、どうして身体があんな風に曲がるのか、良く分からないものも。
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