8月は21冊読みました。
お勧めは「晴天の迷いクジラ」と「楽園のキャンバス」。
14冊が「新潮文庫の100冊」から。
「新潮文庫の100冊」、これで98冊読了、あと18冊です。
◆ニシノユキヒコの恋と冒険(川上 弘美)
随分と人を喰ったタイトルをつけたものです。でも、ニシノくんのこと、分かる気がします。
女性の気持ちが分かるし、優しいから女性に良くしようと思う。
でも、貞操観念がないから一人の女性に決めるということがどういうことだかわからない。
お姉さんとのことは、彼の本質にはあまり関係がないように思えます。
彼はどうにもそういう男だという、それだけのこと。
この連作短編に出てくる女性もそれぞれ魅力的ですが、彼を変えるほど捨て身の女性は残念ながら現れなかったみたいですね。
◆ビルマの竪琴(竹山 道雄)
「我々が重んじたのはその人が何ができるかという能力ばかりで、その人がどういう人であるか、また、世界に対して人生に対して、どこまで深い態度をとって生きているかということではありませんでした。人間的完成、柔和、忍苦、深さ、聖さー。そうしてここに救いをえて、ここから人にも救いをわかつ。このことを私たちは全く教えられませんでした。」
今は教えられているんでしょうか。
◆潮騒 (三島 由紀夫)
学生の頃以来の再読。山口百恵と三浦友和の映画を思い出しました、って、古っ。でも、読書中は脳内では初江が若き日の山口百恵に変換されてました。好きな三島作品と言われれば、まず「憂国」です。それに「午後の曳航」。三島の作品は観念的で、エロくって、時に露悪的。
でも、この作品だけが際立って違う。太宰の「走れメロス」みたいなもんでしょうか。
きっと突然にこういう小説を書きたくなってしまったのでしょう。
良いんじゃないでしょうか、牧歌的で、分かりやすくて。
◆押入れのちよ(荻原 浩)
あまり怖くない、ユーモアのある、ライトなホラー小説です。
ひねりがなくて、途中で落ちはほぼ読めてしまうのですが、これはこれで良いのではないでしょうか。楽しく読めました。
◆雪国 (川端 康成)
言わずと知れた、ノーベル文学賞作家の代表作。雪国という別世界で断続的に展開される恋の話。
身分違い、立場違いの、結ばれるはずもない相手。
戦前の作品だけに抑制のきいた、でも想像力を掻き立てる、美しくも迫力のある文章です。
最後の火事と天の河の描写、子供の頃に田舎で見た満天の星空を思い出しました。
◆晴天の迷いクジラ (窪 美澄)
所詮親の前で子どもは無力、無理強いが限度を超えれば曲がるしかない。子育は難しい。まずは正子の母親を心療内科に連れてけって感じ。
絶望の淵で出会った3人が、田舎のおばあちゃんと迷いクジラをきっかけに心を触れ合わせ、ギリギリ踏みとどまるお話。
でも、これからだよね。「君の行く道は果てしなく遠い」「君のあの人は今はもういない」TVドラマの「若者たち」の主題歌のようなシチュエーションだけど、「君の行く道は希望へと続く」はず、きっと。
◆李陵・山月記 (中島 敦)
初読。中国の古典を題材にした寓話的な短編が4作、独特のテンポの文章が心地よい。
「山月記」は森見登美彦さんのを読んだが、なるほどこれが元ネタか。
それにしても中国の政治的腐敗ってのはスケールがでかい。
◆楽園のカンヴァス (原田 マハ)
17年前とほぼ100年前、時空を超えたスケールの大きな美術ミステリー。
私は特に絵画に知識があるわけではないので、ネットで画を確認しながら読みました。
眉を顰めなければ読めないようなミステリーの多い中で、これは何とも爽やかな。
陰謀が渦巻く美術取引の世界で、真にルソーを、芸術を愛する人たちの情熱が伝わってくる作品でした。
ラストが良いですねー。
◆刺青・秘密 (谷崎 潤一郎)
「痴人の愛」もなかなかでしたがこれもまた凄惨に悪趣味な。。。
「異端者の悲しみ」って自分の話なの?潤一郎が章三郎になったのか。ダメでしょう、こんな奴。だからすごい小説が書けるって訳?
「少年」も、子供のころからマゾですか。マゾでフェチな天才、谷崎、すごいです。
◆龍は眠る (宮部 みゆき)
宮部さんの長編ミステリーは「火車」「レベル7」に続いて3作目だけど、長さを感じさせないですね。引き込まれました。
ミステリー部分もだけど、高坂がサイキックを信じるかどうかの心理描写がなかなか。
結末は私の想像の斜め上をいってビックリ、哀しくて後味の悪い終わり方でした。
◆孤高の人〈上〉〈下〉(新田 次郎)
昔トレランにハマった事があるので、山の魅力、何となく分かります。幸い?私は才能が無かったけど、もし天賦の能力があったら、とことんハマっていたかもしれません。
神戸の山50km縦走を10時間ですか。私は日本山岳耐久レースという奥多摩の71.5kmのトレイルレースを20時間以上かかって走り、あまりのつらさにもう二度と出るまいと思いました。
天は文太郎に登山の才能を与えた代わりに、普通の人が持っているものを与えなかった。
残念な結末だけど自業自得って感じもします。
自分が好き勝手できるのは、周囲の理解や犠牲があってのこと。それを忘れてはいけない。
◆きことわ (朝吹 真理子)
さすが純文学、さすが芥川賞、こういうの、はっきり言って苦手です。
不可逆性っていうか、時間って不思議で、ずっと先のことと思っていたことがいつの間にか必ず過去になって、それは絶対に元に戻らない。人生の終焉に向かって突っ走っているという感じはします。
反面、夢の中の自分は常にかなり若い、そして必ず独身。夢を見て、夜中にふっと目が覚めて、ここがどこで自分が何歳か、分からなくなって、とてつもなく不安になるときがあります。
そんな心情をうまく文章にできれば、自分も小説が書けてしまうのでしょうか。
◆若きウェルテルの悩み (ゲーテ)
婚約者のいる女性に横恋慕、あまつさえ新婚家庭に押し掛ける。仕事をさせれば上司の文句ばかり。
妄想だらけの手紙を友人に送り付け続ける。プライドばかり高くて役に立たないストーカー体質の男、というのが私の率直なウェルテル感です。
自殺の仕方も迷惑極まりないし。
ここまで言うと、ちょっと言い過ぎ?武者小路実篤はこれに着想を得て「友情」を書いたのかな。
◆美丘 (石田 衣良)(角川文庫)
エロい表紙を見たら、数年前の吉高由里子さん主演のドラマを思い出し、読んでみたくなりました。
このところ眉を顰めなければ読めないような恋愛小説を読んでいたので、こういう直球ど真ん中に単純明快なお話、新鮮でした。
恋愛モノというか、全力疾走で生きるということはこういうことなんだなと。
ラストがTVと違う。さすがにこれは放映できないか。
美丘、脳内で完全に吉高さんに変換されてました。今や、朝ドラヒロインだもんなー。
◆殺人鬼フジコの衝動(真梨 幸子) (徳間文庫)
初真梨幸子。
デフレ・スパイラルというか、どうしようもなく加速していく負の連鎖、そして何とも救いのない、後味の悪い読後感。
いろんな意味ですごいホラーミステリーでした。
よくわからないところがあるのですが、はしがきを書いたのは美也子で、1,2章は早季子が自分のことを書いた、そして3章以降は早季子が母・藤子のことを書いた?
おがくず人形・蝋人形も早季子?あとがきを書いた美也子が殺されたってことは、藤子の両親や記者を殺した黒幕は、、、ってこと。
これって大どんでん返し、なのかな。うーん。
◆インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実(真梨 幸子) (徳間文庫)
ということで、続編も読んでしまいました。
「インタビュー・イン・セル」というから、獄中のフジコのインタビューなのかなと思ったら、全然違う話でした。
しかし今回もたくさん人が死んだな。「殺人鬼フジコの衝動」と同じくらいイヤな気分にさせられました。
「殺人鬼フジコ」では完全に脇役だった下田健太が主役でしたが、前作で未回収だった伏線もすっきり回収され、まあ、読んでよかったのかな。
やばい、いやミス、癖になりそう。
◆ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット(川原 礫) (電撃文庫)
アニメの進行に合わせて再読。
GGOは剣技や魔法ではなく銃を使用した対人戦闘ゲーム、SAOもここまではテンポが良くって面白かった。
◆新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論(小林 よしのり)
終戦記念日を迎えるにあたり再読しました。
朝日新聞が30年も前の従軍慰安婦報道が誤報だったと認めましたが、政治家の靖国参拝が国際問題になったのも朝日新聞の積極的な活動によるところ大みたいですね。「こんなことやってますけど、中国さん、抗議しなくていいんですか」みたいな。
国のために命を落とした無名の戦死者たちを英霊=優れた霊として祀ることは、日本人の死生観として極めて自然で、他国にとやかく言われることではないと思います。
お盆には、自分ちの墓と靖国神社と千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に手を合わせました。
◆対岸の彼女(角田 光代) (文春文庫)
直木賞受賞作。
自分の殻に閉じこもりがちな主婦、小夜子が、現実逃避のために見つけた仕事で出会った女社長、葵。
対岸の火事ならぬ「対岸の彼女」とは言いえて妙、自分と正反対のものを持つ葵に惹かれながらも、結局距離を置く小夜子。
でも、そんな葵にも、対岸の彼女に出合い、挫折した過去があった。
一度断っただけで離れていく友だちなんて友だちとは言えない。人は変れる、って言ってしまうと、いかにも月並みな話のように思えてしまうけど、そんな薄い話ではなかったです。
でも、男にはわからない部分も多かったかな。
◆House on Hope Street(Danielle Steel)
不慮の事件で最愛の夫を失う5人の子持ち主婦。最初はあり得ないくらいめそめそしていたが、1年も経たないうちに新しい男とよろしくなってしまうお話。
娘のMeganが母のLizに言った、"He is just your boyfriend, not my Dad."が印象的。よくぞ言ったMegan.
会社の女性スタッフに涙なくしては読めないと勧められたが、私は全く共感できませんでした。
男と女の感じるところの違いかな。
英語は分かりやすかったので、勉強用の教材としてはGOOD。
お勧めは「晴天の迷いクジラ」と「楽園のキャンバス」。
14冊が「新潮文庫の100冊」から。
「新潮文庫の100冊」、これで98冊読了、あと18冊です。
◆ニシノユキヒコの恋と冒険(川上 弘美)
随分と人を喰ったタイトルをつけたものです。でも、ニシノくんのこと、分かる気がします。
女性の気持ちが分かるし、優しいから女性に良くしようと思う。
でも、貞操観念がないから一人の女性に決めるということがどういうことだかわからない。
お姉さんとのことは、彼の本質にはあまり関係がないように思えます。
彼はどうにもそういう男だという、それだけのこと。
この連作短編に出てくる女性もそれぞれ魅力的ですが、彼を変えるほど捨て身の女性は残念ながら現れなかったみたいですね。
◆ビルマの竪琴(竹山 道雄)
「我々が重んじたのはその人が何ができるかという能力ばかりで、その人がどういう人であるか、また、世界に対して人生に対して、どこまで深い態度をとって生きているかということではありませんでした。人間的完成、柔和、忍苦、深さ、聖さー。そうしてここに救いをえて、ここから人にも救いをわかつ。このことを私たちは全く教えられませんでした。」
今は教えられているんでしょうか。
◆潮騒 (三島 由紀夫)
学生の頃以来の再読。山口百恵と三浦友和の映画を思い出しました、って、古っ。でも、読書中は脳内では初江が若き日の山口百恵に変換されてました。好きな三島作品と言われれば、まず「憂国」です。それに「午後の曳航」。三島の作品は観念的で、エロくって、時に露悪的。
でも、この作品だけが際立って違う。太宰の「走れメロス」みたいなもんでしょうか。
きっと突然にこういう小説を書きたくなってしまったのでしょう。
良いんじゃないでしょうか、牧歌的で、分かりやすくて。
◆押入れのちよ(荻原 浩)
あまり怖くない、ユーモアのある、ライトなホラー小説です。
ひねりがなくて、途中で落ちはほぼ読めてしまうのですが、これはこれで良いのではないでしょうか。楽しく読めました。
◆雪国 (川端 康成)
言わずと知れた、ノーベル文学賞作家の代表作。雪国という別世界で断続的に展開される恋の話。
身分違い、立場違いの、結ばれるはずもない相手。
戦前の作品だけに抑制のきいた、でも想像力を掻き立てる、美しくも迫力のある文章です。
最後の火事と天の河の描写、子供の頃に田舎で見た満天の星空を思い出しました。
◆晴天の迷いクジラ (窪 美澄)
所詮親の前で子どもは無力、無理強いが限度を超えれば曲がるしかない。子育は難しい。まずは正子の母親を心療内科に連れてけって感じ。
絶望の淵で出会った3人が、田舎のおばあちゃんと迷いクジラをきっかけに心を触れ合わせ、ギリギリ踏みとどまるお話。
でも、これからだよね。「君の行く道は果てしなく遠い」「君のあの人は今はもういない」TVドラマの「若者たち」の主題歌のようなシチュエーションだけど、「君の行く道は希望へと続く」はず、きっと。
◆李陵・山月記 (中島 敦)
初読。中国の古典を題材にした寓話的な短編が4作、独特のテンポの文章が心地よい。
「山月記」は森見登美彦さんのを読んだが、なるほどこれが元ネタか。
それにしても中国の政治的腐敗ってのはスケールがでかい。
◆楽園のカンヴァス (原田 マハ)
17年前とほぼ100年前、時空を超えたスケールの大きな美術ミステリー。
私は特に絵画に知識があるわけではないので、ネットで画を確認しながら読みました。
眉を顰めなければ読めないようなミステリーの多い中で、これは何とも爽やかな。
陰謀が渦巻く美術取引の世界で、真にルソーを、芸術を愛する人たちの情熱が伝わってくる作品でした。
ラストが良いですねー。
◆刺青・秘密 (谷崎 潤一郎)
「痴人の愛」もなかなかでしたがこれもまた凄惨に悪趣味な。。。
「異端者の悲しみ」って自分の話なの?潤一郎が章三郎になったのか。ダメでしょう、こんな奴。だからすごい小説が書けるって訳?
「少年」も、子供のころからマゾですか。マゾでフェチな天才、谷崎、すごいです。
◆龍は眠る (宮部 みゆき)
宮部さんの長編ミステリーは「火車」「レベル7」に続いて3作目だけど、長さを感じさせないですね。引き込まれました。
ミステリー部分もだけど、高坂がサイキックを信じるかどうかの心理描写がなかなか。
結末は私の想像の斜め上をいってビックリ、哀しくて後味の悪い終わり方でした。
◆孤高の人〈上〉〈下〉(新田 次郎)
昔トレランにハマった事があるので、山の魅力、何となく分かります。幸い?私は才能が無かったけど、もし天賦の能力があったら、とことんハマっていたかもしれません。
神戸の山50km縦走を10時間ですか。私は日本山岳耐久レースという奥多摩の71.5kmのトレイルレースを20時間以上かかって走り、あまりのつらさにもう二度と出るまいと思いました。
天は文太郎に登山の才能を与えた代わりに、普通の人が持っているものを与えなかった。
残念な結末だけど自業自得って感じもします。
自分が好き勝手できるのは、周囲の理解や犠牲があってのこと。それを忘れてはいけない。
◆きことわ (朝吹 真理子)
さすが純文学、さすが芥川賞、こういうの、はっきり言って苦手です。
不可逆性っていうか、時間って不思議で、ずっと先のことと思っていたことがいつの間にか必ず過去になって、それは絶対に元に戻らない。人生の終焉に向かって突っ走っているという感じはします。
反面、夢の中の自分は常にかなり若い、そして必ず独身。夢を見て、夜中にふっと目が覚めて、ここがどこで自分が何歳か、分からなくなって、とてつもなく不安になるときがあります。
そんな心情をうまく文章にできれば、自分も小説が書けてしまうのでしょうか。
◆若きウェルテルの悩み (ゲーテ)
婚約者のいる女性に横恋慕、あまつさえ新婚家庭に押し掛ける。仕事をさせれば上司の文句ばかり。
妄想だらけの手紙を友人に送り付け続ける。プライドばかり高くて役に立たないストーカー体質の男、というのが私の率直なウェルテル感です。
自殺の仕方も迷惑極まりないし。
ここまで言うと、ちょっと言い過ぎ?武者小路実篤はこれに着想を得て「友情」を書いたのかな。
◆美丘 (石田 衣良)(角川文庫)
エロい表紙を見たら、数年前の吉高由里子さん主演のドラマを思い出し、読んでみたくなりました。
このところ眉を顰めなければ読めないような恋愛小説を読んでいたので、こういう直球ど真ん中に単純明快なお話、新鮮でした。
恋愛モノというか、全力疾走で生きるということはこういうことなんだなと。
ラストがTVと違う。さすがにこれは放映できないか。
美丘、脳内で完全に吉高さんに変換されてました。今や、朝ドラヒロインだもんなー。
◆殺人鬼フジコの衝動(真梨 幸子) (徳間文庫)
初真梨幸子。
デフレ・スパイラルというか、どうしようもなく加速していく負の連鎖、そして何とも救いのない、後味の悪い読後感。
いろんな意味ですごいホラーミステリーでした。
よくわからないところがあるのですが、はしがきを書いたのは美也子で、1,2章は早季子が自分のことを書いた、そして3章以降は早季子が母・藤子のことを書いた?
おがくず人形・蝋人形も早季子?あとがきを書いた美也子が殺されたってことは、藤子の両親や記者を殺した黒幕は、、、ってこと。
これって大どんでん返し、なのかな。うーん。
◆インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実(真梨 幸子) (徳間文庫)
ということで、続編も読んでしまいました。
「インタビュー・イン・セル」というから、獄中のフジコのインタビューなのかなと思ったら、全然違う話でした。
しかし今回もたくさん人が死んだな。「殺人鬼フジコの衝動」と同じくらいイヤな気分にさせられました。
「殺人鬼フジコ」では完全に脇役だった下田健太が主役でしたが、前作で未回収だった伏線もすっきり回収され、まあ、読んでよかったのかな。
やばい、いやミス、癖になりそう。
◆ソードアート・オンライン(6) ファントム・バレット(川原 礫) (電撃文庫)
アニメの進行に合わせて再読。
GGOは剣技や魔法ではなく銃を使用した対人戦闘ゲーム、SAOもここまではテンポが良くって面白かった。
◆新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論(小林 よしのり)
終戦記念日を迎えるにあたり再読しました。
朝日新聞が30年も前の従軍慰安婦報道が誤報だったと認めましたが、政治家の靖国参拝が国際問題になったのも朝日新聞の積極的な活動によるところ大みたいですね。「こんなことやってますけど、中国さん、抗議しなくていいんですか」みたいな。
国のために命を落とした無名の戦死者たちを英霊=優れた霊として祀ることは、日本人の死生観として極めて自然で、他国にとやかく言われることではないと思います。
お盆には、自分ちの墓と靖国神社と千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に手を合わせました。
◆対岸の彼女(角田 光代) (文春文庫)
直木賞受賞作。
自分の殻に閉じこもりがちな主婦、小夜子が、現実逃避のために見つけた仕事で出会った女社長、葵。
対岸の火事ならぬ「対岸の彼女」とは言いえて妙、自分と正反対のものを持つ葵に惹かれながらも、結局距離を置く小夜子。
でも、そんな葵にも、対岸の彼女に出合い、挫折した過去があった。
一度断っただけで離れていく友だちなんて友だちとは言えない。人は変れる、って言ってしまうと、いかにも月並みな話のように思えてしまうけど、そんな薄い話ではなかったです。
でも、男にはわからない部分も多かったかな。
◆House on Hope Street(Danielle Steel)
不慮の事件で最愛の夫を失う5人の子持ち主婦。最初はあり得ないくらいめそめそしていたが、1年も経たないうちに新しい男とよろしくなってしまうお話。
娘のMeganが母のLizに言った、"He is just your boyfriend, not my Dad."が印象的。よくぞ言ったMegan.
会社の女性スタッフに涙なくしては読めないと勧められたが、私は全く共感できませんでした。
男と女の感じるところの違いかな。
英語は分かりやすかったので、勉強用の教材としてはGOOD。
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