5月は16冊読みました。
21年のカドフェス本2冊を読了、22年のフェア開始前に何とか全冊読破できました。
◆巷説百物語 (京極夏彦)
御行の又市、山猫回しのおぎん、事触れの治平らが活躍する、一見怪異譚のようで実は種も仕掛けもある短編連作ミステリー。後巷説百物語(既読)と同時期の話みたいですね。ミステリーではありますが、犯人というか当事者はかなり病んだ変態ぞろいで、気持ち悪いことは気持ち悪い。
◆新編 宮沢賢治詩集
詩集は、有名な「雨ニモ負ケズ」を除けば初読み。なかなかことばが入ってこなくて、読むのに苦労した。時代とか、彼を取り巻く背景とか、まだまだ修行が足りないのかな。
ついでに、22年カドブン対象本をフライングで1冊。
◆めぐり逢いサンドイッチ (谷瑞恵)
大阪・靭公園近くでサンドイッチ店を開業する姉妹と、それを取り巻くいい人たちのほのぼのとした日常のお話。安心して読んでほっとでき、頭の箸休めにちょうど良い。若いころ中之島のオフィスで勤務経験あり、肥後橋を渡って靭公園の方へ行くと、街の雰囲気がいかにもこういう感じに変わる。ありそうなお話、卵焼きのサンドイッチとか、ちょっと懐かしい。
八咫烏シリーズの最初の1冊と最新刊を読んだ。何となく全体像はつかめたが、これは全部読まないと、、、
◆烏に単は似合わない 八咫烏シリーズ 1 (阿部智里)
人型になれる八咫烏が住人の世界で、若宮の后に選ばれるべく四家の貴族の姫君が競う王宮の物語、一番その気のない、目立たない姫が王子様に選ばれる、ありふれたファンタジー、お約束のシンデレラストーリーと思いきや、王宮は陰謀渦巻く権力抗争の場、後半はがらりとイメージが変わる。
◆追憶の烏
前半は割と普通で、ハッピーエンドな展開になるのかと思いきや、予想の上を行くつらい展開、雪哉、お前はそれでいいのかと突っ込まずにはいられない。やはりこのシリーズは一筋縄ではいかない。
◆余命一年、男をかう(吉川トリコ)
余命宣告を受けた倹約家のアラフォー独身女性のお話。
今年の山本周五郎賞候補作、タイトルを見て「え、こんなのが候補作になるんだ」と思ったけど、なるほど、手探り状態から、やがて本音をぶつけ合うようになり、一度決裂しながらも、最後は瀬名の気持ちがめちゃめちゃ固かったゆいぴの殻を突き破った、ということでしょうか。月並みな感想だけど、お話は予想以上に楽しめました。上司の生山があまりに薄っぺらくて、でもちょっと自分に似てるかなと思えててぞっとしつつも笑えた。
◆パラダイス・ガーデンの喪失(若竹七海)
パラダイス・ガーデンという大層な名前の個人庭園で老婦人が死んでいた。お寺の副住職、斜陽ドライブインを経営する老夫婦、引退したキルト作家、ホモの陶芸家カップル、モラハラ夫とその家族、不良高校生、有名な殺人容疑者、そしておばさん警察官、取っ散らかったパッチワークのようなお話が最後には繋がっていくのだが、とにかく登場人物が多すぎて、さらに地縁、血縁、その関係が複雑で、読み進めるのにかなり苦労した。
若竹さんファンなので手に取った一冊、独特のテイストで面白いんfだけど、ちょっと盛り込みすぎなのでは。
◆QED 百人一首の呪 (高田崇史)
歴史ヲタなもので、前から気になっていたシリーズ、とりあえず第1作を読んでみた。
一般受けするとは思えないが、とりあえず私は、特にミステリー部分以外を面白く読んだ。シリーズもの、ずいぶんたくさんあるみたいで順番に読んでいくのはきつそうなので、興味あるのをピックアップして読もうかな。
◆元彼の遺言状 (新川帆立)
「このミス」大賞受賞作、綾瀬はるか主演のドラマが面白かったので原作本もと読んでみた。
元彼の遺言状の意図がドラマとは違っていたけど、映像の際に脚本が原作と違う演出になるのはままあること。この本はミステリーというよりも、ヒロイン麗子さんのキャラを楽しむ本だと思うので、麗子さんを綾瀬はるかさんに脳内変換して楽しく読んだ。
◆ヒーローはイエスマン (羽泉伊織)
迎合性対人夢想症候群、イエスマンという設定がすっと腑に落ちなかったので、エンタメ小説の割には読むのに苦労した。「気弱なサラリーマンが大活躍」ということだったが、地味目な活躍でした。
◆この恋は世界でいちばん美しい雨 (宇山佳佑)
天使・悪魔的なものが登場するファンタジー・ラブストーリーは他にもあるけど、ライフシェアリングというそのルールにどのような意図があるのか、猪突、意味不明、思い付き、著者のご都合のようで説得力に欠ける。その設定の予想通りの帰結としての「相手の幸せを一番に思いあっての自己犠牲の仕合い」はなんともやるせない。こういう展開に素直に感動できないくらい歳を取っちゃったのかなー。
◆ヨルガオ殺人事件 上 (アンソニー・ホロヴィッツ)
上巻は事件の整理と事件のカギを握る作中作の前半部分のみ。まだ全然分からないので、感想は下巻を読んでから。
◆高家表裏譚4 謁見 (上田秀人)
主人公は悪名高き?吉良上野介三郎。平和な世の中にはもはや不要となった元軍人を大量に官僚、事務方に転用した非効率な武家政権である江戸幕府は、その権威の根拠である天皇家に形式的に従属しながら支配する。そんな脆さを象徴するかのようなお役目の高家の嫡男時代の上野介はなんともさわやかな青年で、それがどうしてあんなことになってしまったのか、4巻になってもちっとも話が進まない。皇位継承の陰謀渦巻く都で、盟友の公家の筆頭・近衛家の若き当主とのあれこれ。これはこれで面白いのだが、討ち入りまであと何巻かかることやら。
◆黄金の60代(郷ひろみ)
年齢が一緒で(誕生日も近い)身長もほぼ同じ、体を鍛えるのが好きでフルマラソンのベストタイムもほぼ一緒の郷ひろみさんを、私は勝手にライバルと思っています。そのライバルを知るために手にした一冊、彼の本を読むのは「ダディ」以来。共感する箇所、多々ありました。
◆ほどほど快適生活百科 (群ようこ)
同世代ではあるが、私は男性で体育会気質、共感しないトピックも多かったのだが、そこはさらりと流し読み。我が家にも昨年12月まで留守番できない老犬がいたので、その点は共感、人間関係やエイジングに関しても共感できるところが多かった。人生はなるようにしかならない。
◆読書は格闘技:(瀧本 哲史)
テーマ別に主張が対立する2冊の内容を併記、読者にテーマに対する真剣勝負を促す本、テーマは全部で12ラウンド。既読本が「武器としての決断思考」「文明の衝突」「ザ・ゴール」「タッチ」「山月記」「ハリー・ポッターと賢者の石」と少ない(5/24)ので、何とも言えないが、著者の読書に対する姿勢(様々な主張をけんか腰で深読みする?)は共感、刺激される部分が少なからずなきにしもあらずって感じでしょうか。
21年のカドフェス本2冊を読了、22年のフェア開始前に何とか全冊読破できました。
◆巷説百物語 (京極夏彦)
御行の又市、山猫回しのおぎん、事触れの治平らが活躍する、一見怪異譚のようで実は種も仕掛けもある短編連作ミステリー。後巷説百物語(既読)と同時期の話みたいですね。ミステリーではありますが、犯人というか当事者はかなり病んだ変態ぞろいで、気持ち悪いことは気持ち悪い。
◆新編 宮沢賢治詩集
詩集は、有名な「雨ニモ負ケズ」を除けば初読み。なかなかことばが入ってこなくて、読むのに苦労した。時代とか、彼を取り巻く背景とか、まだまだ修行が足りないのかな。
ついでに、22年カドブン対象本をフライングで1冊。
◆めぐり逢いサンドイッチ (谷瑞恵)
大阪・靭公園近くでサンドイッチ店を開業する姉妹と、それを取り巻くいい人たちのほのぼのとした日常のお話。安心して読んでほっとでき、頭の箸休めにちょうど良い。若いころ中之島のオフィスで勤務経験あり、肥後橋を渡って靭公園の方へ行くと、街の雰囲気がいかにもこういう感じに変わる。ありそうなお話、卵焼きのサンドイッチとか、ちょっと懐かしい。
八咫烏シリーズの最初の1冊と最新刊を読んだ。何となく全体像はつかめたが、これは全部読まないと、、、
◆烏に単は似合わない 八咫烏シリーズ 1 (阿部智里)
人型になれる八咫烏が住人の世界で、若宮の后に選ばれるべく四家の貴族の姫君が競う王宮の物語、一番その気のない、目立たない姫が王子様に選ばれる、ありふれたファンタジー、お約束のシンデレラストーリーと思いきや、王宮は陰謀渦巻く権力抗争の場、後半はがらりとイメージが変わる。
◆追憶の烏
前半は割と普通で、ハッピーエンドな展開になるのかと思いきや、予想の上を行くつらい展開、雪哉、お前はそれでいいのかと突っ込まずにはいられない。やはりこのシリーズは一筋縄ではいかない。
◆余命一年、男をかう(吉川トリコ)
余命宣告を受けた倹約家のアラフォー独身女性のお話。
今年の山本周五郎賞候補作、タイトルを見て「え、こんなのが候補作になるんだ」と思ったけど、なるほど、手探り状態から、やがて本音をぶつけ合うようになり、一度決裂しながらも、最後は瀬名の気持ちがめちゃめちゃ固かったゆいぴの殻を突き破った、ということでしょうか。月並みな感想だけど、お話は予想以上に楽しめました。上司の生山があまりに薄っぺらくて、でもちょっと自分に似てるかなと思えててぞっとしつつも笑えた。
◆パラダイス・ガーデンの喪失(若竹七海)
パラダイス・ガーデンという大層な名前の個人庭園で老婦人が死んでいた。お寺の副住職、斜陽ドライブインを経営する老夫婦、引退したキルト作家、ホモの陶芸家カップル、モラハラ夫とその家族、不良高校生、有名な殺人容疑者、そしておばさん警察官、取っ散らかったパッチワークのようなお話が最後には繋がっていくのだが、とにかく登場人物が多すぎて、さらに地縁、血縁、その関係が複雑で、読み進めるのにかなり苦労した。
若竹さんファンなので手に取った一冊、独特のテイストで面白いんfだけど、ちょっと盛り込みすぎなのでは。
◆QED 百人一首の呪 (高田崇史)
歴史ヲタなもので、前から気になっていたシリーズ、とりあえず第1作を読んでみた。
一般受けするとは思えないが、とりあえず私は、特にミステリー部分以外を面白く読んだ。シリーズもの、ずいぶんたくさんあるみたいで順番に読んでいくのはきつそうなので、興味あるのをピックアップして読もうかな。
◆元彼の遺言状 (新川帆立)
「このミス」大賞受賞作、綾瀬はるか主演のドラマが面白かったので原作本もと読んでみた。
元彼の遺言状の意図がドラマとは違っていたけど、映像の際に脚本が原作と違う演出になるのはままあること。この本はミステリーというよりも、ヒロイン麗子さんのキャラを楽しむ本だと思うので、麗子さんを綾瀬はるかさんに脳内変換して楽しく読んだ。
◆ヒーローはイエスマン (羽泉伊織)
迎合性対人夢想症候群、イエスマンという設定がすっと腑に落ちなかったので、エンタメ小説の割には読むのに苦労した。「気弱なサラリーマンが大活躍」ということだったが、地味目な活躍でした。
◆この恋は世界でいちばん美しい雨 (宇山佳佑)
天使・悪魔的なものが登場するファンタジー・ラブストーリーは他にもあるけど、ライフシェアリングというそのルールにどのような意図があるのか、猪突、意味不明、思い付き、著者のご都合のようで説得力に欠ける。その設定の予想通りの帰結としての「相手の幸せを一番に思いあっての自己犠牲の仕合い」はなんともやるせない。こういう展開に素直に感動できないくらい歳を取っちゃったのかなー。
◆ヨルガオ殺人事件 上 (アンソニー・ホロヴィッツ)
上巻は事件の整理と事件のカギを握る作中作の前半部分のみ。まだ全然分からないので、感想は下巻を読んでから。
◆高家表裏譚4 謁見 (上田秀人)
主人公は悪名高き?吉良上野介三郎。平和な世の中にはもはや不要となった元軍人を大量に官僚、事務方に転用した非効率な武家政権である江戸幕府は、その権威の根拠である天皇家に形式的に従属しながら支配する。そんな脆さを象徴するかのようなお役目の高家の嫡男時代の上野介はなんともさわやかな青年で、それがどうしてあんなことになってしまったのか、4巻になってもちっとも話が進まない。皇位継承の陰謀渦巻く都で、盟友の公家の筆頭・近衛家の若き当主とのあれこれ。これはこれで面白いのだが、討ち入りまであと何巻かかることやら。
◆黄金の60代(郷ひろみ)
年齢が一緒で(誕生日も近い)身長もほぼ同じ、体を鍛えるのが好きでフルマラソンのベストタイムもほぼ一緒の郷ひろみさんを、私は勝手にライバルと思っています。そのライバルを知るために手にした一冊、彼の本を読むのは「ダディ」以来。共感する箇所、多々ありました。
◆ほどほど快適生活百科 (群ようこ)
同世代ではあるが、私は男性で体育会気質、共感しないトピックも多かったのだが、そこはさらりと流し読み。我が家にも昨年12月まで留守番できない老犬がいたので、その点は共感、人間関係やエイジングに関しても共感できるところが多かった。人生はなるようにしかならない。
◆読書は格闘技:(瀧本 哲史)
テーマ別に主張が対立する2冊の内容を併記、読者にテーマに対する真剣勝負を促す本、テーマは全部で12ラウンド。既読本が「武器としての決断思考」「文明の衝突」「ザ・ゴール」「タッチ」「山月記」「ハリー・ポッターと賢者の石」と少ない(5/24)ので、何とも言えないが、著者の読書に対する姿勢(様々な主張をけんか腰で深読みする?)は共感、刺激される部分が少なからずなきにしもあらずって感じでしょうか。
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