ブラスカル

元マラソンランナーですが、今や加齢と故障でお散歩専門、ブラタモリっぽく街歩きをしています。

22年12月に読んだ本

2023-01-04 12:26:55 | 読書
22年の締めくくりといきたかったのですが、12月も低調で、9冊でした。

◆リボルバー(原田マハ)
原田さんお得意の美術ネタ。ゴッホネタは「たゆたえども沈まず」に続いて2冊目。
評判の高かった「楽園のカンヴァス」風のミステリー仕立て。ゴッホ、ゴーギャンはあまり詳しくないので、ググって絵を観ながら、フィクションとして楽しく読ませていただきました。

◆捜査線上の夕映え(有栖川有栖)
毎年恒例、有栖川さんの火村シリーズ、もう何作目になるのだろうか。多分自分は5,6冊しか読んでないけど、でも今回のが一番面白かった。事件は平凡だけど、単なるミステリーではない、小説部分がロードムービーっぽくて旅情を誘う。四大ミステリーすべてランキング入りは伊達じゃない。

◆りゅうおうのおしごと!16.5 ~あねでしのおしごと!~(白鳥士郎)
電子書籍限定、八一が竜王を獲得した第7戦のお話を対戦者や銀子などが語る第1巻の前日譚。まだ将棋を知らない頃の雛鶴あいちゃんも登場。対戦相手として碓井尊元竜王が出てくるのも、ちょうど17巻を読んだところだったのでタイムリー。ファンとしてこういうのはいくらでも読みたい。

◆りゅうおうのおしごと!15.5 ~髪を切った理由~(白鳥士郎)
電子書籍限定の短編。あいちゃんが八一師匠の元から巣立った直後のお話。師匠のために伸ばしていた髪をすっぱり切って前に向かうあいちゃん、その背中を押したおかあさん、短いけど良いお話。

◆りゅうおうのおしごと!17 (白鳥士郎)
八一が銀子とくっついて大団円も近いのかなと思ったら、あらぬ方向へ進み始めた「りゅうおうのおしごと!」でも、相変わらず笑わせてくれるし、ワクワクもさせてくれます。スパコンでディープラーニングとか百年後の将棋とか、とんでもないことになり、一体どこへ行ってしまうんだろうと思いつつも、久々の銀子ちゃんの登場に、ほっとさせられました。

◆定本 バブリング創世記 (筒井康隆)
読んだきっかけは、「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希の蔵書の中に入っていたから。筒井康隆さん、当時としてはすごいぶっとんだ作品だったのでしょう。一方で結構時代も感じます。

◆倒産続きの彼女 (新川帆立)
新川帆立さんの剣持麗子シリーズ新作、もっとも語り部は麗子さんではなく、その1年後輩の美馬玉子。麗子と違って平凡で苦労人の玉子が、麗子と共に殺人事件?に巻き込まれる。キャラの全く違う二人が事件の謎に挑む、長編ミステリー。事件の真相を別にしても面白い。

◆逆説の日本史: 明治終焉編 韓国併合と大逆事件の謎 (27)(井沢元彦)
朱子学と韓国・中国、毎度おなじみの井沢節炸裂でした。それにしても明治がいかに綱渡りの時代だったか、明治天皇や渋沢栄一といった人材に恵まれた偶然、そして彼らの努力があったからこそ今の日本があるということを改めて認識しました。さて、維新の熱狂が薄れ、これから時代が暗転していくわけですが、次巻は1年後かなー。

◆爆弾(呉勝浩)
2023年のこのミス1位作品(実は読み終わってから知った)。暴行で捕まったさえない中年男が爆発を予言し、その通りに爆弾が破裂する。連続爆弾テロ被疑者と警察の取調室内の、知力を尽くした攻防がストーリーの大半を占める。はみ出し者扱いの等々力、エリートの清宮の二人の刑事は被疑者スズキタゴサクの毒気にあてられ、掌の上で転がされて自らの心の闇を露呈してしまう。後を引き継いだ変わり者の天才、類家がタゴサクに迫る。最後に明らかになる意外な事件の真相、最後のどんでん返しが見事。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 22年11月に読んだ本 | トップ | 明治神宮の御神籤 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事