サンタ クロース村から 8Km南のロウ”ァニエミのキャンプサイトに落ち着いた夜11時ごろ、西の空が真っ赤になりそれが薄れた頃には空が夕闇に閉ざされました。7月15日、この頃には北欧の白夜もこのあたりではもう見ることは出来ません。これからだんだん夜が長くなってくるのです。
翌朝素晴らしい天気で、川渕のキャンプサイトから長い橋を渡って、ロウ”ァニエミの町へ観光に行きました。ロウ”ァニエミの町は1944年ナチス・ドイツによって徹底的に破壊され、戦後フィンランドの設計家によって近代的な町に再建されたのです。
歩いて一番近くにあったのがロウ”ァニエミ教会です。この教会も第二次世界大戦で破壊され、1950年スエーデンとアメリカの経済援助を受けて再建築されたのです。
真正面のフレスコ画はヨーロッパの古い宗教画を見慣れた目には、素晴らしく新鮮に見えました。そしてこの教会の入り口には各国語で書かれた教会の案内書があり、特に日本語の案内書には星野富弘さんの”命より大切なもの”と言うエッセイと三浦綾子さんの"もっとも確かな希望"と言うエッセイがプリントされていて、とっても嬉しくなりました。
この教会にどれほどの日本人がやってくるのか知りませんが、なんと言う親切、星野さんのエッセイに目頭が熱くなりました。
教会の裏には第2次世界大戦で戦死した兵士たちのお墓がきれいに並んでいて、若い男女3人が草刈や、お墓の掃除をしていました。
そして写真の石碑には戦争中疎開先でなくなった子供や老人たちの名前が刻み込まれています。戦後60年も経ち戦死した兵士たちの家族ももう亡くなっている人たちが多いと思うのに、いまだにあちこちのお墓に花束がささげられていて、(赤いベゴニアは植えられています)国のために若い命をささげた兵士たちを決して忘れないフィンランドの人たちを素晴らしいと思いました。
このロウ”ァニエミの一番の見所はアルクティクム(Arktikum)と呼ばれるガラス張りの建物です。ここは北極圏に関する博物館で、ラップランドの生活や歴史、ロウ”ァニエミの歴史など、コンピューターや映像、実物大の模型などで体験、学習できます。写真はラップランドのサーメ人の結婚衣裳です。一日2回上映するオーロラの映写を見逃し残念でした。このロウ”ァニエミから日本語ガイドつきのオーロラ観測ツアーが出ています。
オーロラは12月から3月の北極圏内で見られるとのことです。