昨夜一晩中雨が降り続き、今朝も止んでいるとはいえ何時でも降りそうな天気、小さなイナリの町のキャシュマシーンでユーロの現金を引きおろしました。そしてドイツの三輪バイクの夫婦に別れを告げ、一路南へ向かいました。
途中サーリセルカ(Saariselka)の立派な観光インフォメーションでフィンランドのブローシャを集め、カモシカ肉の缶詰と冷凍肉を買いました。
このインフォメーションで見つけたカモシカに関する注意書きによりますと、一年に交通事故死するカモシカは4000頭にものぼり、多いときは一日に10頭も事故死するそうです。(ちなみにフィンランドの制限速度は時速100Kmです)。
7−8月に多いのは、森の中での蚊の襲撃から逃れるため、広い道路へ出て来て交通事故にあうのです。
もし事故にあった場合の連絡先やするべきことなどが丁寧に書かれていました。
このインフォメーションセンターから今夜の目的地ソダンキュラまで120Km、道は真っ直ぐで針葉樹の森と、白樺の林、そして大小の湖が次々と現れます・・・・・・が何処まで行っても景色は変りません。フィンランドには高い山はなく、ノルウェーで見られたため息の出そうな素晴らしい景色は,何処にも見られませんでした。
時々道端で道草を食っているカモシカくらいが、単調な景色に彩をそえているくらいでしょうか。
ソダンキュラはイナリの町よりも大きく、メインスクエアにはラップランドらしいトナカイの銅像、その近くに素晴らしくきれいな真っ白の教会、又教会の後ろの墓地には大変手入れの行き届いた戦没者のお墓がありました。
フィンランドは第2次世界大戦が終わるまでロシア、ドイツ、スエーデンの弾圧や戦争など過酷な歴史を持ち、多くの戦死者を出しています。そして何処の町でも、戦没者に対する墓地の管理がよく行き届いていることに感心させられました。
この夜キャンプサイトに今まで見た事もないような、キャンピングホテルカーが停まりました。
ドイツの数十人の団体はホテルカーの後ろのテントで夕食を食べ、キャンプ場のトイレやシャワーを使って、キャプセルホテルみたいなホテルカーで寝ているのです。キャンプ場の屋根つきバーベキューの囲炉裏端にはこの夜12時近くまでドイツ人たちでいっぱいでした。彼らは夕方から襲ってくる蚊など気にも留めていないようでした。
翌朝ドイツの団体は観光バス一台にゆられてキャンプサイトを出て、その後をトラックに引かれたホテルカーが出てゆきました。ドイツ人は合理的な国民とは聞いていますが、これほど安上がりの団体旅行はめったにないだろうと思いました。
フィンランドもノルウエーと同じような言い伝えがあるらしく、お店のショーウインドーにトロールの人形が飾ってありました。