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墨絵弾弓

2007-11-05 11:49:28 | Weblog
ひょいと4人を肩車する大男、人の頭上に乗せたさおで軽業を披露する子どもたち――。奈良国立博物館で開催中の「第59回正倉院展」で、入場者の表情がひときわ和む絵がある。

 矢の代わりに球を弾(はじ)く遊具「墨絵弾弓(すみえのだんきゅう)」。その内側に墨で描かれた曲芸や軽業、踊りは、古代中国ではやった民間芸能「散楽(さんがく)」の一こまだ。「サーカスの原点のような芸が多い。千年以上前からアクロバットやジャグリングがあったとは」。自らも空中ブランコで活躍した木下サーカス社長の木下唯志さんも舌を巻く。

 芸によっては生い立ちも違う。「さお登りは竹が豊富な東南アジアや中国南部が起源では。肩車の絵はインドのレリーフに見られる」と、中央大教授の田辺勝美さん。それぞれがシルクロードを通り、中国を経て日本に伝わり、大仏開眼会(かいげんえ)でも演じられた。

 現代人と同じく天平の人々の目を奪った曲芸。わくわく、ドキドキを求める心は、千年前も今も変わらないのかもしれない。

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http://osaka.yomiuri.co.jp/shosoin/st-2007/st-2007_07.htm

(2007年10月29日 読売新聞より)


昨日のNHK新日曜美術館では田村能理子さんがこの「墨絵弾弓」を絶賛していた。
今年の展示の中から友人が送ってくれた絵葉書もこれ。
1000年も昔のユーモアセンス、すばらしいとは思いませんか?

ゆっくりご鑑賞ください。