若い時分に取材用として使っていた皮の鞄。
これを見るたびに、過酷ながらも楽しかった2週間にわたる単独取材のことが思い出される。
インターネットも携帯電話もない時代の話。
今は使っていないので(鞄自体が重いし)
断捨離ものなのだが、なんとなく処分できないままだった。
片づけついでに、何十年かぶりに手入れした。
よみがえったようだ。
ポケットを探っていたら思いがけないものが出てきた。
すっかり放念していた母手ずからのお守り。
改めて身の安全を願う気持ちに触れ、しばし感慨にふけってしまった。
亡くなってから親のありがたさに気づく…というヤツである。
セロテープで補強したのは自分のはずだがそんなことも忘れていた。
無事に勤めおおせたのはこのお守りのおかげかもしれない。
これからも大事に持ち歩こうと思う。
鞄も磨いたら十分使えそうな気がしてきた。
私が有名人なら陳列ものだろう(笑)。
ありえないが。