イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

薄情出演

2007-09-12 17:32:25 | CM

ふぅー。ウィンドウズupdate、今回は重かったなあ。要更新項目は1個なんだけど、アクセス集中度合いの問題かもしれません。

先週末の二夜連続黒澤明作品ドラマスペシャルは、8日の『天国と地獄』20.3%、『生きる』11.7%と、ほぼ同時間帯の放送にもかかわらず数字的には軽く明暗分かれたようです。

月河は放送中に帰宅できないとわかっていた『天国と~』は録画し、『生きる』の日は在宅だったので、観られれば見るつもりでしたが結局観ませんでした(『天国と~』も12日現在未再生)。

二夜“皆勤”した高齢家族たちは、「どちらもうまいこと現代に舞台を移して、なかなか飽きさせない出来だった」と満足したようです。

いつも思うのですが、業界の人たちが大騒ぎする“視聴率”、何話にもわたる連続ものならば、作品としての質の良さ粗悪さで上がったり下がったりもするでしょうが、今回のような単発ものの場合、数字が示すのは“前宣伝がうまいことはまったかどうか”だけだと思うんですけどね。

ただ、留守とわかっていてもあまり単発ものは録画しない月河が『天国~』をなぜ録画したか自分に訊いてみると、「『誰某の事件簿』『何処ソコ温泉殺人伝説』のたぐいでない、ちゃんとした警察捜査ドラマ、犯罪ドラマをそろそろ観たい」「ラーメン刑事とか、芸者で弁護士とか、葬儀屋で探偵とかはもううんざりだ」という期待が、少しはありました。

録画では視聴率に当然反映されませんが、しっかりTVの前でリアルタイム視聴した人たちにも、月河と似たような気分は多少なりともあったのではないでしょうか。

その点、『生きる』はそうでなくても憂鬱になりがちな週末明け前の夜900台に、“余命幾許(いくばく)”ものはちょっと分が悪かったかもしれません。この時間帯に、重いテーマで20%台を期待するなら、もう、松本幸四郎さんとのムリヤリな『HERO』つながりででも、木村拓哉さんを友情出演投入するしかないでしょう。

主人公の自殺で終わると原作でわかっている『華麗なる一族』、絵に描いたような“不治の病”もの『ビューティフルライフ』をこの時間帯で成功裡にまとめた人ですからね。友情なんかなくたってこの際、ヤッコさんをぶち込んでみたかったな。

“友情出演”と言えば、確か90年頃、松平健さんが主役だったドラマのエンドロールで、結婚間近と報じられていた大地真央さんが“友情出演”とクレジットされていて、「なんだ、“友情”出演って結構不純なフレーズなんじゃん」と思った記憶があります。月河も若かった。

『金色の翼』53話。

玖未(上野なつひさん)、奥寺(黒田アーサーさん)を揺さぶることで、修子(国分佐智子さん)が何か隠している疑いをあぶり出そうと絹子刑事(高嶺ふぶきさん)は真綿で絞める様に包囲を狭めて来ていますが、奥寺は欲望から、玖未はとにかくお腹の子を産みたいがために、なかなか修子のロケット置き偽装、及び迫田転落時のアリバイ偽装に関して頑として口を割りません。

特に玖未は、自分が本当の当時の状況を話せば、修子のアリバイより、玻留(倉貫匡弘さん)のそれが崩れることを怖れている。

それにしても、“一本の滑走路だけで外界とつながっている”がキャッチフレーズだったこの島、玻留が“パラシュート降下”(←さしずめ作戦コード“赤い鳥”)という奥の手であっさり風穴を開けてくれました。

ここまで来たら、鳥のアトリエか厨房の地下に、本土とつながる、『大脱走』的なトンネルが掘ってあっても驚かないぞ。

終盤に来て、『仮面ライダーアギト』並みに1話終わるたびに謎が累積して行く感ですが、初めて槙(高杉瑞穂さん)の部屋訪問場面が来たセツ(剣幸さん)の表情がかなりダークになっていました。

一方、ここのところ恋敵役としては影が薄かった理生(肘井美佳さん)は、玻留に「どうして槙が好きになった?」と訊かれて「島を出たくて高い木の上で空を見上げていたら、隣の木にも同じように見上げている人がいて、それが槙だった」、さらに「あいつ(=槙)を(修子に心を移したことで)恨んで暴れてやればいいのに」と言われると「自分が惨めになるだけだから」と、とても理生らしい答え。

胸がすくというほどではないけれど、悪い状況でも明るい面に顔を向けていられる、理生の女性としてのかわいらしさが久しぶりに見えて安心しました。

思えば25話で、槙の部屋にシュミーズ一丁で夜襲かけた辺りが分水嶺だったかも。あそこから、凡百の昼ドラなら理生はどんどん暴走し、主人公らと和解しては決裂して、そのたびに嫉妬と憎悪のボルテージを上げていくモンスター恋敵に仕立てられて行ったかもしれない。

理生をそういうふうに造形しなかったことは、このドラマのいまのところの破綻無さに一応貢献しています。

ただ、その分、存在感はちょっと引いた。理生は終盤、負方向にも正方向にも、もうひと働きしないといけない。

あと、今日は何より、すっかりこの枠で見慣れたファブリーズCMの寺島進さん「やめろ…やめるな」息子「どっちだよ」が、安倍晋三政権の末路を予見したものだった(?)ことに快哉ですな。

思えば、昨年9月26日、『美しい罠』で星空の高原に向かう渓流の槐と類子のシーンに“首班指名”の無骨なテロップがかぶった日から、まる1年もたなかったわけだ。

もたなかったということは、なんだかんだで、要は力足らずだったんでしょうね。お疲れさまでした。

ついでみたいで悪いけど、この際、“きれいサッパリ”つながりってことで、某横綱も、どうでしょう。いまならあんまり騒がれないよ。

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