久しぶりに中心街の、客層平均年齢若めのショッピングモールに出たら、女性の“ブーツ率”が一気に上昇していてちょっとドギマギ。つい先週、当地観測史上最遅の真夏日ってのもありましたからねー。まだいけるだろうと思って、白のバスケシューズを履いて出たら、ショーウィンドウの陳列品が深秋ものばっかりなのも相俟って、どう考えても居心地が悪く、バス乗り継ぎに20分ぐらい浮いたんですが試着もする気になれませんでした。
たまに自分と似たようなノー季節感な足元の同年代女性を見かけると、すれ違いざま耳に飛び込む話声で、あー台湾からの観光客様だとわかる(脱)。
せめて革のローファーぐらい来週は出さないとねえ。トップスもニットのアンサンブルとか裏毛のパーカとかに入れ替えにゃいかん。
秋の準備が迫ると、冬も刻々近づいているのを感じます。記録的に暑い夏だったとは言え、それによってめでたく冬が遅くなったり短くなったりするわけではない。
地球温暖化は由々しいけど、冬だけ温暖化なら大歓迎なんだけどな(暴)。
帰宅して早速『金色の翼』最終話をどかどかと録画チェック。
7月のドアタマから三ヶ月、まだあれほどオニ暑い夏になるなんてことは予想もしていなかった時分から、甲子園がありお盆休みがあり、中越沖地震、参院選、台風、安倍総理辞任…思えばずいぶん天災も政変もありました。
一緒に歩いて来たなあ“空と海のホテル”。
「どう気分は?少しは落ち着いた?」と絹子刑事(高嶺ふぶきさん)が話しかけてるのはだだっ誰だあ!という引っ張りもありつつ、修子(国分佐智子さん)は顔に血がついてるだけで無傷、修子から脇腹に一発食らった玻留(倉貫匡弘さん)も意識清明で意外と浅手、あとから入室してきた槙(高杉瑞穂さん)もケロッとしてる…というわけで、よかったー!誰も死んでない!
昨日64話の最終シーンで、負傷の玻留が修子と槙に向けた銃口は、ゆっくりと彼自身のこめかみに向けられ、止めようと『金メダルへのターン』(ふふっ古い!)みたいにダイブした修子ともみ合ううちに銃声は誰もいない空へ暴発していた…という種明かし。今日冒頭の修子の顔面の血は、玻留の手が触れてついたものとわかりました。
「罪深い姉に殺されたかわいそうな弟として、無実のまま死んで」と自分に銃を向けた修子、それでも急所は狙えず、自分がみずから頭を撃って死のうとすると命がけで止めてくれた姉に、玻留が救急搬送の途中「姉さんは僕を見捨てないってわかった、俺、生まれ変わっても姉さんの弟がいい」「玖未に伝えて、“元気な赤ちゃんを産んで”って」と微笑みを浮かべて手を握ったところで、月河的にはすべて良し。
日ノ原の飛行機に細工して死なせた件で彼は間もなくブラジルへ送還され裁かれることになりますが、玻留にはこういう了見になってほしかったということは、この二言でほぼ尽くされています。
特に「俺、生まれ変わっても姉さんの弟がいい」には、息子(←居ないけど)に、「生まれ変わっても俺、母さんに産んで欲しい」と言われたくらいの幸福感。何なんだこの満ち足りた気分は。修子さんも同じ気持ちかな。
玻留はその後、出口で待っていた槙とも感謝と信頼をこめて握手。玻留はバスタブで溺れかけたときと合わせ、これで二度槙に命を救われたことになります。
修子、玻留、槙、この3人は、どの1人が死んでも残り2人の人生が“生きながら死ぬ”ことになる。単純にヒロインとヒーローが抱き合えばハッピーエンドになるわけではない。
昨日の槙の、修子を諌める台詞に端的に表れていたように、槙が終始一貫“こちら岸”に(ときどき足場ぐらついたり理生にくすぐられたりしつつも)とどまって、“向こう岸”の闇を弟とともに歩く修子に「戻って来いよ」と呼びかけ続ける…という構図になったのは、善良な凡人が“向こう岸”に引き入れられて人生を踏み誤って行く式の“宿命の女”物語を期待した月河にはある意味見事な期待はずれでしたが、その分、玻留と渾身演技の倉貫匡弘さんのおかげで、まったく予期しない別の宿命ドラマになりました。
とにかく“黄金の3人”が無事でよかった。残り後半20分あまりはもう付録みたいなもん…なんて言わないで、明日ゆっくり腑分けしましょう。
今日は『イロモネア』もあるしなっ。どこまでTVっ子だ自分。