9.特急「つがる2号」と待ってくれた内陸線の社員たち
ホテルを出て弘前駅に入場し、特急「つがる2号」を待つ間、車両取材する。
留置されていたディーゼル機関車や気動車などを撮影し、
09:37を待って特急「つがる2号」に乗車する。
特急「つがる」にはE751系が充当されている。
E751系は2000年3月のダイヤ改正で登場した交流専用の特急形車両で、
盛岡から青森までを結ぶ「スーパーはつかり」に充当されるために製造された。
2002年12月に東北新幹線が八戸まで延伸された時に特急「つがる」に名称変更され、
運行区間も八戸から青森までの東北本線と青森でスイッチバックして、
奥羽本線に入って弘前までを結ぶ区間に変更された。
2010年12月4日の東北新幹線全線開業の時に青森から秋田に区間が変更された。
青森と秋田を結ぶ特急といえば485系3両編成の「かもしか」が思い出されるが、
東北新幹線全線開業時にこの特急「かもしか」は廃止された。
もともとは6両編成として3本が製造されたが、2011年2月に運用を離脱、
4両編成に短編成化され、3本が青森車両センターに転属して運用されている。
特急「つがる」は09:37に弘前に到着し、2分後の09:39に弘前を発車する。
奥羽本線を52分かけて10:31に鷹ノ巣に到着する。
JR鷹ノ巣は秋田内陸縦貫鉄道鷹巣駅と接続している。
駅舎は二つ並んで外から見ると別の駅のように見えるが、実際は中で繋がっている。
JR鷹巣駅は単式1面1線と島式1面2線の計2面3線の地上ホームを有し、
駅舎側の奥羽本線上りが使用する単式ホームの反対側の一部を秋田内陸縦貫鉄道が使用している。
そのため秋田内陸縦貫鉄道からみると頭端式1面1線のホームといえる。
特急「つがる2号」が鷹巣に到着したのは10:31で、
秋田内陸縦貫鉄道の11Dが鷹巣を発車するのは10:34で乗り換え時間は3分しかない。
そこで特急「つがる」から直接ホームを走って秋田内陸縦貫鉄道の車両に乗り換えようとした。
ところが秋田内陸縦貫鉄道の社員から呼び止められ、
「乗車券はお持ちですか?」と訊かれたため、「ないです。」と答えたら、
「購入してから乗り換えてください。」と云われた。
秋田内陸縦貫鉄道の駅舎に行って窓口で切符を購入した。
既に発車時間が迫っていたが、運転手は外に出て発車する気がないことを乗客に見せている。
窓口で「阿仁合で下車してから角館まで行きたい。」と告げたら、
「この切符が良いかな・・・。」と「ホリデーきっぷA(鷹巣←→松葉)」1,000円を購入することにした。
松葉は阿仁合よりも角館に近い駅でこの切符なら阿仁合で途中下車できる。
この切符を購入して10:34発の秋田内陸縦貫鉄道の車両に乗り込んだ。
既に発車時間は過ぎていたが運転手は外で待っていて、
駅員が合図を送ると運転手に乗り込んで車両を発車させた。
JRとは違い、出発時間を守るよりもきちんと切符を売ることに力を入れている。
鷹巣を出た1両編成AN8803の軽快気動車は山の中に分け入っていくように進んでいった。