rock_et_nothing

アートやねこ、本に映画に星と花たち、気の赴くままに日々書き連ねていきます。

羽を休める場所はどこですか?

2023-08-28 16:28:43 | 随想たち

とあるフライヤーのために描いた猫

元小さい人が、週末帰省していた。
どうやら、就活でエネルギー切れをおこしたようだ。
不器用なうえ人一倍緊張するタイプである元小さい人は、おおかたの就活生のバイタリティーに遠く及ばないため、ことさら堪えているという。
そこで元小さい人は実家に帰り、心の武装を解除し休養と、慣れ親しんだ料理で栄養を摂るのだ。
元中くらいの人の時折帰省する動機は、ほぼ似たり寄ったり。
親の庇護から巣立ったならば、自分の羽で飛び続けなくてはならない。
だから、巣立ちから日が浅いほど、巣に戻るスパンは短い。
そのうちに、自分の拠点となる居場所を拵えられたなら、古巣は遠くなるのだろう。
できれば羽を休める場所は、もうひとつあると心強い。
場合によっては、拠点がいつも安全な場所とは限らないし、二つあると心に余裕が生まれやすい。
間違っても、別の意味の親密なところと誤解なさらぬように。
その羽を休める場所は、必ずしも人がいるところでなくてよい。
心安らぐお気に入りの公園、思い出深い街、コーヒーの香りと静かな音楽の流れる場所など、自分がリラックスできるところでいいのだ。
元中くらいの人には、そのような場所ができたらしい。
元小さい人にも、そのような場所ができること願おう。

母の日に

2023-05-15 22:39:12 | 随想たち


一日遅れの母の日で、実母にはこの画像を贈った。
いい年をした大人が、どうして折り紙のカーネーションを贈るのだろう?
しかも、画像とか!!!

仕事で関わっている子供が、母の日に折り紙で作ったカーネーションを贈りたいと、一緒に動画を見て四苦八苦しながら一緒に作った。
世間的に母の日には、赤いカーネーションの花か、もしくは何かしらものを買って贈るのが通例だ。
しかし、これは商業的作戦の一つであって、感謝の気持ちを贈るのはお金を出して購うばかりではない。
感謝の言葉を贈る、一緒に話をしたり時を一緒に過ごす、自分で作ったものを贈る、マッサージをする、などいろいろなやり方がある。
もちろん、母親を思い浮かべながら品物を選ぶ行為も尊いものだ。
けれども、その人にとってできることで、贈られる人が一番喜びそうなもので感謝を伝えるのが最良といえよう。
私は、一所懸命折り紙でカーネーションを作る子供の姿が、とても真摯で素晴らしい行為だと思えた。

そこで、その純粋な行為に倣って、今日はカーネーションを折ったのだ。
人を思う気持ちの尊さを、失くしてはならないと祈るような気持ちでもあった。


今年も季節が先走る

2023-04-13 23:04:18 | 随想たち
昨年に引き続き、今年も季節が先走る。
桜の開花も小学校の卒業式を待たずに葉桜へ、藤の花もゴールデンウィーク前には咲ききってしまいそうだ。
2~3週間は、季節が前倒しになっているだろう。
私の住む地域では、大概の作物の作付け開始の目安として、八重桜の開花を挙げている。
その八重桜も満開となっている今日、通勤路脇の田んぼでは、既に田植えをなされたところがあった。
地球の状態は変化し続けるものだから、季節の巡りが早くなったり、季節の長さ比が変わっても、それは特異とも言い切れない。
自然界に存在しない化学物質や分解して無害化するまでの期間が長すぎるものなど、地球環境に負荷のかかるものの影響でない限り、受け入れたほうがいいような気がする。
さて、明日の予報では夏日になりそうだ。
水分をこまめにとって、えげつない暑さへの慣らし期間と身構えよう。

すぐそこにある感動

2023-04-10 22:11:06 | 随想たち


なんてことのない景色。
毎日のように視界に入ってくるが、意識しない風景。
見慣れたその景色が、言いようのない存在の強さと美しさで、私の心を揺さぶり捉えるのだ。
澄み渡った空、軽い空気、そよぐ風が若葉を揺らし奏でる木の葉擦れの音、力強い生命の囀り、明るいトーンが支配する世界。
胸が切なくなるほどこの景色を失いたくないと思い、何気ないものに心を震わせることができる自分でありたいと強く願うのであった。