ムンクの絵は、まるでゲル状の質感で満たされている。
太古の海か、はたまた母なる子宮のに満ちる羊水か、生命が生まれ出るフラスコのような世界。
全ての命は溶け合って互いに密接な関係を持って存在するという、アニミズムにも似た感覚。
ムンクがそう思っていたかどうか知る術はないけれど、厳しい意自然の中で海の恵みに支えられて生きるノルウェーだからこそ命は単独では存在できなく多くの他者に依拠して成ることかんじとっていたのではないだろうか。
まさにゲル状の質感は、それを視覚的に訴えるに適したものなのだと私は捉えている。