今月の課題。
中学生か高校生のころ、「吾輩は猫である」を除いて夏目漱石の本を読み尽くそうとしていた。
代表作の一つである「吾輩は猫である」は読まないのか?
それは、小学5年生のころ、まずは定番の文学と思って読み始めたけれど、人間観察の機微などわからない子供には、ただある日常が続くまどろっこしくて音を上げてしまったからだ。
「二百十日・野分」は、そろそろ網羅する終盤に読んだ作品。
これを読みながら頭の中に浮かんで居座り続けたイメージを、数十年を経てこうして外部に定着し分離することとなった。
ずいぶんと気の長いことだ。
しかも、半強制でこなす課題というものがあったからこその行為で、すっきりしたものの、なんともいえない気分になった。
二百十日は、9月の初めころ、大風や大雨を伴い台風などがやってきて、稲の収穫に影響が出るから日本人にとって関心事の高い時期でもある。