

皆様、こんにちは。
今月のラボ便りは、
インキュベーター(培養庫)についてです。
卵子や精子、胚(受精卵)は、
培養室の中にあるインキュベーターという器械の中で保管(培養)されます。
このインキュベーターは、子宮の環境にごくごく近い環境が作られています。
大気中は、窒素78%、酸素21%、二酸化炭素0.05%、その他
という割合になっています。
一方、インキュベーター内は、
窒素89%、酸素5%、二酸化炭素6%(温度は37℃)となっています。
大気中と全然違います。
ですので、インキュベーターの扉を開けると、
中のガスが漏れ出して環境がどんどん変わってしまいます。
これは卵にとって良くないことですので、
この開け閉めを最低限にし、素早く行うことがとても大事になります。
受精した胚がどのような状態なのか、皆様、気になることと思います。
しかし、
上記でお伝えした通り、あまり頻繁に胚の様子を見てしまうと、
その度に、インキュベーターの扉を開閉することになりますから、
胚に負担をかけてしまうことになります。
ですので、最低限の胚の観察のみを行います。
また、このインキュベーターの環境は、電気を使って維持されているので、
万が一の停電に備えて、非常用電源を設置しています。
当院で、毎月一回行っている体外受精勉強会では、
培養室の様子についても、映像をご覧頂きながらお話ししているので、
体外受精へのステップアップを考えていらっしゃる方は、
ぜひご参加下さい。



