5月のラボ便り
皆さん、こんにちは。
今月のラボ便りは、顕微授精についてお話致します。
顕微授精とは、
一個の精子を卵子の中に注入することを言い、
別名ICSI(イクシー)とも呼ばれます。
※精子を数える時に一匹二匹と言われることがありますが、
精子は動物ではなく卵子と同様に細胞ですので、正しくは一個と数えます。
顕微授精は、究極の受精方法とも言われます。
なぜなら、理論上は生きている精子が一個あれば、受精は可能だからです。
体外受精では、受精しない男性不妊(乏精子症、高度乏精子症)の患者さんにとって、
唯一ともいえる受精方法です。
しかし、
顕微授精も万能ではありません。
受精率は約85%前後となり、
実施すれば、必ず受精するというわけではありません。
また、乏精子症が先天的なもの(生まれつきのもの)で遺伝性である場合、
生まれてくる子供が男の子ですと、乏精子症は遺伝します。
※乏精子症が後天的なもの(おたふくなどの高熱、睾丸への強い衝撃などにより、
造精能力が低下したもの)の場合は、遺伝しません。
また、
人の手が加わるので顕微授精には抵抗があるという方もいらっしゃるかもしれません。
確かに顕微授精は、培養士が一個の精子を卵子に注入します。
しかし私は、培養士が一個の精子を選ぶのではなく
「精子自身」が培養士に選ばせているのだと思っています。
これから体外受精・顕微授精に進むかどうかという状況にあり、
不安を抱えているという方もいらっしゃると思います。
無用な不安をなくすためにも、
当院の体外受精勉強会に出席されたり
当院のホームページにある情報をご覧頂いたりすることをお勧め致します。
とくおかLCラボスタッフより
とくおかレディースクリニック