3月のラボ便り
「3月のラボ便り その2」は検査の流れにつきまして書かせて頂きます。
検査の流れは以下の通りです。
①胚移植周期と同様に月経中からエストロゲン製剤を使用し、子宮内膜を厚く育てます。
②子宮内膜が厚くなった事を確認し、内膜を成熟させるためのプロゲステロン製剤を投与します。
③プロゲステロン製剤を使用して数日後、胚移植を行うタイミングと同じタイミングで子宮内膜組織を採取します。
採取にはピペットキュレットと呼ばれるプラスチック製の柔らかい子宮内膜採取用の器具を用います。
④採取した子宮内膜組織を海外の検査会社へ送り、検査を行います。
⑤検査後約2~3週間後に結果が出ますので、その結果を踏まえて次周期以降の胚移植のタイミングを検討します。
子宮内膜受容能検査には、ERPeak検査とERA検査があります。
ERA検査は世界で初めて開発された着床の窓を調べる検査で、
世界の80か国以上、日本国内の350施設以上と広く行われています。
着床能に関連する236個の遺伝子発現パターンを解析し、
12時間という細かいずれまで特定できることが出来ます。
ERPeak検査はERA検査の後に登場した最新の検査で、
遺伝子の解析方法や解析している遺伝子の種類、数が異なります。
ERPeak検査はERA検査よりも解析遺伝子数を絞ることで、
ノイズが少なくなった為診断精度向上を期待でき、再検査率が低いとされています。
また、ERA検査よりも少量の内膜組織で判定することができ、
採取時の痛みや出血等の負担を減らすことが出来ます。
検査結果がERA検査よりも早く出るというメリットがあります。
当院ではERPeak検査、ERA検査の両方を行なっております。
何かご不明な点がありましたら、スタッフまでお声がけ下さい。