とくおかレディースクリニック~ブログ~

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10月のラボ便り

2014年10月15日 | ラボ便り

10月のラボ便り


皆さんこんにちは。

今月のラボ便りは、
「多精子受精を防ぐ」ということについてお話し致します。

多精子受精とは、
1個の卵子の中に2個以上の精子が入り、受精してしまうことを言います。
これは異常な受精であり、受精しても途中で胚の成長が止まってしまいます。

この様な事態を防ぐための能力が、卵子には備わっています。

受精の流れは、
精子が卵子の透明帯(写真の赤い矢印)にくっついた後、
透明帯の一部を溶かし中に入り込みます。
その後、
精子は、卵子の細胞膜(写真の黒い矢印)とくっつき(膜融合)、
やがて卵細胞内に入っていきます。

まず、
精子が卵子の細胞膜にくっついた時点で、最初の反応が起こります。
この時、卵子の細胞膜の性質が変化し、
これ以上の精子の侵入を拒むようになります。

また、約40分後に卵子の細胞膜付近にあった表層粒という粒が飛び出します。
この表層粒によって、透明帯の性質が変化し硬くなります。
これにより、
透明帯でも、これ以上の精子の侵入を防ぐようになります。

このように卵子は、2重のブロックにより多精子受精を防いでいます。

しかしながら、この能力が不十分であったり、
本当に同時に精子が卵細胞の中に侵入したりした場合は
、多精子受精が起こってしまいます。

多精子受精したかどうかは、受精確認の時点で判別できるので、
通常、このような胚を胚移植することはございません。


とくおかLCラボスタッフより



とくおかレディースクリニック

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