9月のラボ便り
皆様、こんにちは。
徐々にに過ごしやすい気温になって参りましたね。
今回のラボ便りは
「胚の凍結保存とその保管方法」についてご説明したいと思います。
育てた胚を一度凍結保存し、
子宮内膜を移植に適した状態に整えてから、
凍結していた胚を融解し移植することを、
凍結融解胚移植といいます。
胚の凍結保存は、3つの工程で行います。
まず1つ目が、凍結保護剤を胚に浸透させます。
この凍結保護剤によって、胚は凍結に耐え、
融解後も生存することが出来ます。
2つ目が、胚の細胞内にある水分の脱水です。
凍結時に胚の水分がそのまま凍ってしまうと、
氷晶という氷の粒が形成されてしまい、
胚にとって大きなダメージとなってしまいます。
そして3つ目が、液体窒素による凍結です。
マイナス196℃の液体窒素に、上記2つの処理をした胚を浸し、
瞬時に凍結することで、胚にダメージを与えず凍結することができます。
以前、患者様からどのように凍結した胚を保管しているのか?
いくつかの胚が凍結できた場合、移植する胚だけをどのように取り出すのか?
というご質問を頂きました。
胚を凍結する時には、
育てた胚を1つ(もしくは2つ)ずつ凍結しています。
この時に、
どのグレードの胚がどの容器に入って凍結されたかを記録しながら行うため、
移植の時には、移植予定の胚だけを取り出し融解することが出来ます。
容器には患者様のお名前などが記入されておりますので、
他の患者様のものとは混ざること無く、
液体窒素の入った大きな凍結タンクの中で保管されています。
また、融解の際には、
他の胚が入った容器は液体窒素に入ったままであるため、
融解するごとに凍結されている他の胚がダメージを受けるということはございません。
培養室では、
患者様からお預かりした受精卵を責任を持ち大切に保管させて頂いております。
とくおかLCラボスタッフより
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