3月の看護部・検査部便り
皆様、こんにちは。
先月は近年稀にみる大雪が降ったり非常に寒い日が続きましたが、
お変わりありませんか?
今月からは少しずつ暖かくなって欲しいものですね。
本日は、採卵に臨む際の注意点についてご説明致します。
注意点は4つです。
(1)絶飲食
採卵当日は、何も食べず何も飲まずに来院して下さい。
前日の夜22時までに飲食を済ませ、それ以降は一切何も口にしてはいけません。
日頃から就寝前に服用しているお薬がある方は、採卵前夜に限り22時前に服用して下さい。
朝の服用はせず、採卵終了後に服用して下さい。
飲食をすると、腸の蠕動運動(腸の筋肉が収縮することで起こる運動。ミミズのようにウネウネとした動き)が活発になります。
卵巣と腸は密接しており、腸の動きが活発になってしまうと、卵が採りづらくなってしまうのです。
また、採卵は局所麻酔で行いますが、稀に静脈麻酔を追加する場合もあります。
静脈麻酔がかかると、意識が低下します。
そして麻酔の影響により嘔吐することがあります。
無意識下での嘔吐は、吐いた物が喉に詰まり窒息してしまう危険があるのです。
よって、胃の中を空っぽにしておくことが重要となります。
(2)コンタクト
コンタクトは外して来院して下さい。
静脈麻酔を使用し目を閉じた状態となっても、眼球はクルクルと動きます。
コンタクトを付けていると眼球を傷付けてしまう危険があります。
(3)マニキュア・お化粧
色の付いたマニキュアとお化粧はせずに来院して下さい。
爪の色やお顔の色から、採卵中の体調の変化を判断するためです。
(4)排尿
採卵に向けて非常に重要となるのが、排尿です。
採卵は膀胱が空っぽの状態でしか行えません。
卵巣は膀胱にも密接しています。
尿が溜まると膀胱は大きく膨れ上がるため、膨らんだ膀胱が卵巣を覆ってしまい卵が採れなくなってしまいます。
その場合、やむを得ず採卵を中断しお手洗いに行ってもらったり、導尿して尿を抜かねばならなくなります。
そうする間に、排卵が起きてしまったら、もう卵は採れません。
採卵前にお手洗いに行く際は、いつも以上に下腹部に力を入れて排尿して下さい。
もう出なくなったなと感じたら、体の力を抜いて大きく深呼吸をしてから、もう一度下腹部に力を入れてみて下さい。
そして最後に、両手でグーっと下腹部を押して下さい。
‘一滴残らず絞り出す’ように排尿することが大切です。
前日の夜から飲水を制限するのは、膀胱に尿が溜まってしまうのを防ぐという目的もあるのです。
しかし、何も飲んでおらずとも、尿は徐々に溜まってきてしまいます。
特に今の寒い時期ですと暖かい時期に比べ、汗や水蒸気として体から出ていく水分が極端に減るため尿が溜まりやすくなります。
一般的に夏から冬になると、一日の尿量は2~3倍にも増加します。
ご自宅を出る前と、来院時には必ずお手洗いに行かれて下さい。
お着替えや点滴などの準備の後、採卵までに少し時間があった際には採卵直前にもう一度お手洗いへご案内致しますので、
しっかりと排尿なさって下さい。
以上の4点に注意し、採卵に臨まれて下さい。
皆様お忙しい中で時間を作って通院され、痛い注射に堪えながら、一生懸命育ててきた卵です。
卵は、未来の赤ちゃんです。
ご夫婦の力で、赤ちゃんを迎えにいくのが採卵です。
万全の状態で臨み、より多くの卵を確保したいものですね。
皆様が安心して採卵に臨めるよう、しっかりサポート致します。
何か、ご不明な点や不安な点がございましたら、お声掛け下さいね。
とくおかLC看護部・検査部スタッフより
とくおかレディースクリニック