京都に行って参りました。仕事もありましたので沢山は回れませんでしたが、大原の三千院やその周辺のお寺、銀閣寺、建仁寺など主に京都の東側を歩いて参りました。
美術館では何必館の良寛遺墨展、細見美術館の中国の小さなやきもの-美は掌中に在り展(先日瀬戸陶磁器資料館で開催された内容と同じ) 、橋本関雪記念館(白沙村荘)を見学しました。美術館についてはまた折に触れ書かせていただこうと思いますが・・・
関雪の白沙村荘のお庭の大きさや灯篭の数(かなり古いものもありました)にはびっくりいたしました。関雪はやはりスケールの大きい人です。
ときどき無性に京都に行きたいと思う時があります。
そう思う時の“京都”とはいったいどんな町なのだろう?
今回はそれを意識して久しぶりの京都を歩いてみました。
美味しいお料理屋さん。とろける甘味屋さん。楽しい雑貨屋さん。
静かな街並み。かわいらしい舞妓さん。美しいお庭。お寺。仏像。。
京都にはすべてがそろっています。
美術館の展覧会に行って佳い作品に出会い 売店で色とりどりの絵ハガキを買い
テラスのあるレストランで美味しいお料理とデザートを楽しむ・・そんな休日のフルコースのような過ごし方が京都のいたるところで味わえます。
私もそれを求めて京都に行きたくなるのだろうと思っていました。
でも少し違っていたようです。
写真は三千院の往生極楽院の前のお庭です。左後ろに見える屋根が極楽院、この中に国宝阿弥陀三尊像が納まり、
この奥にまだ時期がはやく見ることができませんでしたが紫陽花花苑が広がっています。
写真の手前にはいくつかのわらべ地蔵がいますね。
へっ?なんでこんなところに??
とはじめは少し不気味に感じましたが
じっとみているとこちらも ニコッと笑ってしまうようなかわいい地蔵たちです。
この 『思わず微笑んでしまうような場所』
『ほっ~と一息つける場所』が
どんなに観光客のあふれた名所にも必ず
ひと空間あるのが京都ではないか?と思います。
『そうだ!京都へ行こう!』
少し調べてみますと、このキャッチフレーズで有名なJR東海のポスターにもこの三千院のわらべ地蔵は使われたそうです。
宗教の政治的介入を避けるために天皇や皇族たちが住み着いた都が京都だから
宗教や修行のためのお寺というより誰かを祀るためのお寺、公家たちの住居や別荘としての建物が多いと佐橋が話してくれましたが
そうした個人的な生活のなかの美意識は確かに京都のなかに沢山見受けられて、それに触れるとき私たちは心を揺さぶられるのではないか?と感じました。
←(銀閣寺観音殿の閣上 鳳凰)
張り詰めた緊張のなかの美しさと安心のなかの美しさ。
日々の暮らしのなかにそれを織り込んでいく工夫を京都では沢山発見できます。
また行きたいなぁ~
京都は私がいつもそう思える場所です。