つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

2022年09月23日 | 鳥海青児
また雨が降っています。

ほんの2、3日前は、暑くて数時間おきに目覚めてはクーラーのスイッチを入れていたのに、今は数時間おきに目覚めては肌寒さに布団を掛ける事を繰り返すという始末です。


しばらく鳥海青児のベニスの作品を箱に仕舞ったままですが、こうして雨が降り、湿度は高くなると、どういうわけか?私は鳥海青児の絵が見たくなります。







鳥海青児は、母親が大変仏教に信心深い女性であったので、中学校は僧侶の養成学校に通っていたそうです。

6歳の時、すでに父親は他界していますが、その父の枕元でひょっとこ踊りを踊って、裏山に捨てられ、それでもその捨てた下男より先に自宅に戻ったと、本人が記憶しているほど生来やんちゃな性格でもあったようで、

母は鳥海青児について「お小遣いをやるとすぐ絵の具を買ってしまって、かさぶたみたいな絵を描いて喜んでいる」とこぼしていたといいます。


やんちゃ、仏教、かさぶた、、


とにかく全てのフレーズがもう鳥海青児そのものですね😂

ベニスの風景もアルジェリアの風景も、その空気には見事に湿り気と乾きを表現しながら、鳥海青児の作品には何かこう、自分の体質的なものを頑固に守り続けようとする意志と、温かい慈悲深さを感じます。

日本人の情緒と言って良いのかもしれません。

私は外国で雨に出会った事がないのでわかりませんが、日本の雨にはきっと日本独特の空気がまとっているのだと思います。


雨の日に鳥海青児の作品を見たくなるのも「日本人として」当然の事なのかもしれません。

日本人らしい油彩画家。鳥海青児はそういう画家なのだと思います。

再び、鳥海作品に会うのを楽しみにしています。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする