昨日、エントランス正面に飾らせていただていた作品をご来店のお客様にお納め致しました。
10号の作品を壁から外し、箱に仕舞うのもこのご夫妻のお客様にお手伝いいただきました。
また、その空いた壁に何を飾るか?のご心配もいただき、あちらの作品をこちらに、、結局4点ほどの作品の移動をご一緒にして頂いてしまいました。
私個人としては本当に楽な作業となり、大変助かりましたが、「一年半前、1人の店番になった当初はこれほど各お客様にお手伝いしていただかなくてもなんとかなったのに。。」と申し訳ない気持ちになりました。
皆様に甘えすぎて私の「ありがとうございます」も何かこう、陳腐なものになってしまっているかもしれませんが、日々皆様のご親切に深く感謝しております。ありがとうございます。そして、その感謝を通勤途中やお買い物先などでの小さな笑顔や気遣いに変えて世の中にお返しできたら良いなぁと思っています。
さて、今日の名古屋は曇りから雨に変わり、店内の撮影がし易く感じましたので、少し画像をご紹介致しますね。
お納めした作品を飾っていたエントランス中央の漆喰の壁には、「太陽と馬」を飾りました。
キリッと空間が引き締まった感じた致します。
同じ展覧会であっても、10月から11月への季節の変化を少し入り口に表現したいと思いました。
エントランスは馬!馬!馬!になりましたが、山口薫は既に中学生の絵日記のようなものに、馬ばかり描いていたと
いう記述を見つけましたし、なんと言っても馬は薫作品の代名詞でもありますのでこれも良いかなと感じています。
ギャラリー内の壁面、テーブル寄りの壁は「栗」とこの「赤い樹と黄色い樹」の2点がけでしたが、昨日「栗」をショーウィンドウに
戻し、「赤い樹と黄色い樹」の一点がけにしてみました。
こちらの作品は女性にとても人気ですが、一点がけにしてみると、余白が大きくなり森の中に赤と黄色の木が立っているように
感じられました。
なるほど、この壁面を一点がけ専用にして、門やマリモの佐橋がお気に入りだった作品を順に掛けてみても良いなぁと考え始めています。十分に独立し、広い壁面でもそれぞれ美しい個性を発揮する作品たちだと思っています。3日か4日おきに掛け替えてみますね。
この小品に、ご来店の日本画家の先生方が「これ水彩でしょう?」と言われるのですが
そして、確かに水彩っぽいのですが、鑑定書に紙・油彩となっているので、一応紹介プレートにはその表示のままにしてあります。
一昨日お立ち寄りくださった弥栄さんと「これいい作品だよねぇ。でもわが庭、茶色い竹かぁ」とタイトルの話題もなりましたが、結局どうやら下に水があって、上高地の大正池とか明神池とかそういう風景画にしか見えないということになりました。
残念ながら画集などに作品の画像や資料もみつかりません。でも、皆さんに一度ご覧いただきたい作品です。
11月の声を聞いてからますます深みが増しています。
通路などはあまり変わっていません。
先週から日本画の先生たちなどプロ的な視線をお持ちのご来客が多いので、人気は一挙にこの作品に集まりました。
確かに美術館の山口薫展への出品を考えるとこの作品が1番近いのかもしれません。
牛の顔のこの黄色い部分を不思議に思っていましたが、ギャラリーの壁に掛けて距離をとってみてみると、
この黄色が見事に薄まって、牛の肩の線とつながり、牛が牛舎からグィ〜と首を出している臨場感が強まり、
思わず鳥肌が立ちました。
後日またご紹介いたしますが、山口薫の名を世に知らしめた張本人のお一人であった今泉篤男さんは、薫の画家としての最盛期を
1950年代と表明されていますが(60年代以降の晩年の作品には別の価値付けをされています)
この牛と小鳥も1957年制作で、モダンでありながら大変力強い作品だと思います。