クイズのお答えが全く届きませんのでなんだか不安になってしまい、またこのハガキに書いたお便りがそろそろお目当てのお客様に届くころですので、「正解」をさっそくお伝えいたします。
寺崎廣業 てらさきこうぎょう 1866(慶応2)年~1919(大正8)年でした!
と発表させていただいてもピンとこられる方のほうが少ないと思います。
中村岳陵の師といえばいかがでしょうか。
(寺崎広業についてはこちらのサイトがとても丁寧に書いてくださっているように感じます。寺崎 広業 (てらさきこうぎょう) - 近代日本画壇の巨匠|校史資料|秋田県立秋田高等学校同窓会 (akitahs-doso.jp))
私たちの若い頃は、といっても昭和の終わりの頃ですが、画商さんはまだ寺崎の作品を多く扱っていました。
私自身は山水画の画家だとずっと認識していましたが、幼少期から貧しく、苦労して日本画諸派の模写をしながら学び、挿絵や木版画、風俗画を描きながら、 のちに岡倉天心に認められ大家になっていったのだと改めて知りました。53歳の他界も意外でした。
美人画家としての一面の認識も薄く、今回色々な美術館さんの作品をネットで拝見して思い出しました。
五島美術館蔵 夏のひととき (晩年制作)
市場に出ていれば、まだこういった作家たちの作品を見ることはあるのかもしれませんが、私にはそういった機会もありませんので、新しく学ぶこともなく、忘れてしまっていくことばかりです。
けれど、どこかアンテナを張っていれば、今回のこの絵葉書のように「見直し」ができることもあると思っています。
まず知らないことは知らないと幾つになって言えるように、自分の中に新しいこと入ってきてくれるように心がけたいと思います。
この一年と少しは、悲しいことや不安を抱えすぎて、全てのことが素通りしていってしまいました。自分を守るためには仕方がないことだったと思いますが、私にとっての生きている実感はやはり観ることと知ることだとこの頃よく感じます。
ブログを書かせていただくのは、強制的に「調べもの」を多くする機会をふやすためでもあります。ときどき、こうした的外れなクイズを出したりいたしますが、私の学びの為にも、みなさまにはひきつづき記事をお読みいただければ幸いに存じます。
今週、孫の幼稚園から私を描いてくれた絵がとどき、とても嬉しかったのですが、「そうか、敬老の日だからか」と少しショックを受けました。
この連休はみなさまも同じような体験をされるのでしょうね。
知ることは大切ですが、前言撤回💦で「知らんぷり」も案外老年期には大事なことのような気がしてまいりました。
ありがとうと周りに感謝しながら、敬老の日には知らんぷりを決め込もうと思っています。
暑い暑い毎日ですが、ご自愛くださり、どうぞよい休日をお過ごしください。
寺崎廣業とは渋い、渋すぎるといった感じでしょうか。
渡辺省亭や河鍋暁斎、柴田是真など海外の万博で評価された人たちはそれなりに知名度がありますが、仮に同じぐらいの技巧があっても、現在の評価が微妙な立ち位置の日本画家というのは案外多いような気がします。
寺崎廣業に渋い!という評価をいただいて大満足です。渋いという言葉は、おそらく現代アートの評価には用いられないと思うのです。以外にも何を「渋い」と評価するかでコレクターさんたちの個性が発揮されるようにも思います。